浦島太郎のような…クルーズ船乗客ら443人やっと下船 「公共交通機関に乗っていいのか…」不安の声も

[ 2020年2月20日 05:30 ]

新型コロナウイルス

 新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で19日、ウイルス検査の結果、陰性と確認された高齢者を中心とした乗客ら443人が下船した。下船の予定期間はあす21日までの3日間。18日ぶりに船を下りた乗客からは「浦島太郎のような気分」と喜ぶ声のほか「公共交通機関に乗ってもよいのか」と不安が漏れた。

 乗客たちは約2週間の船内待機を強いられた疲れの色をにじませながら荷物を持ち、次々と船外に出た。

 この日、下船対象となったのは健康観察を終え、検査結果が陰性で発熱やせきなどの症状がない60~70代を中心とした443人。

 夫婦で参加したさいたま市の男性(77)によると、18日夜に居室に下船を許可する紙が届いた。「体力的にきつかった。まずは喜びたい」と声を弾ませた。待機中は衛星放送が主な情報源で「バスからの景色が少し新鮮に見えた。情報も少なかったので浦島太郎のような気分」と話した。

 2月1日に沖縄に立ち寄ってから18日ぶりの下船。乗客は順次、バスで横浜駅など複数のターミナル駅に移動し、そこから公共交通機関を利用して帰宅するなどした。厚労省は健康カードを渡し、何かあればそれぞれの地域でフォローアップするという。乗客の中には「公共交通機関に乗ってもいいのか」と不安を漏らす人もいた。

 下船した人から新たに感染する恐れについて、元仙台検疫所長の岩崎恵美子氏は「きちんと検査した上で陰性だった人なので、下船後の感染拡大を心配する必要はない」と語った。

 外国政府派遣のチャーター機を船内で待つ外国人を除き、残る乗客らは20日、21日に数百人ずつ下船し、それぞれ帰途に就く予定。船で感染が確認された人と同室だった濃厚接触者は感染の可能性を考慮し、後日下船する。乗員は検査で陰性でも、運航会社との調整が必要になる。

 事態が進展した一方、この日新たに79人が陽性と判明し、クルーズ船を巡る感染者は計621人となった。

 国立感染症研究所の分析では、発症日が分かった184人のうち33人は客室待機が始まる今月5日以前に発症。6~9日に計89人と発症が集中。10日以降は乗員の発症が増加した。乗客の感染は5日の客室待機措置の前が多く、その後は業務のため完全な隔離が難しかった乗員の発症が増えたと指摘した。

 《派遣チーム医師、告発動画》「ダイヤモンド・プリンセス」に災害派遣医療チームに同行して18日に乗船した感染症専門医の岩田健太郎神戸大教授が、19日までに「常駐している感染対策の専門家が一人もいない。(安全な)グリーンゾーンも(危ない)レッドゾーンもぐちゃぐちゃで、全く区別が付かない」と告発する動画をユーチューブに投稿した。動画は日本語と英語の2種類で再生数は19日夕、100万回を超えた。

 海外メディアも動画を引用するなど波紋を広げたが、当事者は反発。日本環境感染学会のチームを率いて乗船し、支援活動に当たった桜井滋岩手医大教授(感染制御)は「騒ぎになっているが、事実に基づかない部分がある。例えば患者のエリアは分けられていた」と反論した。

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