世界各国 クルーズ船乗客“奪還”の動き 米チャーター機は羽田到着 新型肺炎 船内待機に批判の嵐

[ 2020年2月17日 05:30 ]

新型コロナウイルス

 新型コロナウイルスの感染が広がるクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から米国人乗客を退避させるため、米政府が手配したチャーター機とみられる航空機2機が16日夜、羽田空港に到着した。米メディアが同船を「第2の感染源」と指摘するなど、日本政府への批判は高まるばかり。カナダや香港などもチャーター機を準備するなど“国民奪還”の動きが始まった。

 米国のチャーター機の到着に先立ち、横浜港に停泊する「ダイヤモンド・プリンセス」では米国人客に向けて「午後9時には下船できるよう、準備を整えてください」と英語でアナウンスされた。チャーター機は17日未明にも羽田空港を出発し帰国の途に就く。米疾病対策センター(CDC)の15日の発表によると、乗船していた米国人は約400人。チャーター機搭乗前に健康状態を調べ、発熱やせきなどがある人は日本で必要な治療を受ける。

 「ダイヤモンド・プリンセス」は今月3日、横浜港入り。1月に下船した香港人男性に感染が確認されたことを受け、日本政府は乗客乗員約3700人の健康状態を確認。検疫が終わる19日まで、症状のない人に船内待機を求めている間に感染者が増加した。

 米政府が救出に乗り出したのは、クルーズ船内での感染拡大を懸念する報道が米国内で続出したため。

 ワシントン・ポスト電子版は15日「元々感染していなかったが、船内待機中にうつされた人もいる」とする乗客の声を紹介。乗員乗客を船内にとどめた対応を疑問視する報道が拡大し「乗船者を取り囲む環境は感染の恐れのある巣窟」「ウイルスに汚染された巨大な入れ物に人を閉じ込めている」とするメディアもあった。ABCテレビは中国・武漢に続く「第2の感染中心地」と表現した。

 米国以外でも厳しい意見が上がっており“奪還作戦”も続きそうだ。香港とカナダ、イスラエルもチャーター機の派遣準備を進め、イタリアは希望者を帰国させられるよう特別機を用意すると表明。オーストラリアも自国民の乗客に「(退避などの)選択肢を検討している」とのメールを送った。聯合ニュースによると、乗客9人、乗員5人が乗船している韓国では既に数人が帰国を希望しており、人数が確定すれば日本政府と協議し、輸送手段を決める方針だ。

 《新たに70人、計355人に》厚生労働省は16日、「ダイヤモンド・プリンセス」で、新たに70人の感染が確認されたと明らかにした。これまでに延べ1219人を検査し、感染者は計355人となった。70人の内訳は乗客69人、乗員1人。うち日本人は32人。38人は発熱やせきなど症状がなかった。これまでにクルーズ船で重症となっているのは16日時点で60~80代の19人で、日本人11人を含む。このうち新型コロナウイルスの陽性は18人、陰性が1人。

 【各国メディア反応】 
 ◇「“第2の感染中心地が日本の港につくられつつある”と専門家が指摘」(米ABCテレビ)
 ◇「日本政府は一貫した情報を発信できておらず、検疫への信頼感を損なっている」(米ニューヨーク・タイムズ)
 ◇「乗員乗客の約6%が感染しているこのクルーズ船は、世界中のどこよりもコロナウイルスの感染率が高い」(米TIME)
 ◇「カオスで、混とんとしている」(ロシア・ザハロワ報道官)
 ◇「ミニ武漢だ」(香港・蘋果日報)

続きを表示

「志村けん」特集記事

「薬物問題」特集記事

2020年2月17日のニュース