飛沫、接触よりリスク高い? 新型肺炎、新経路「エアロゾル感染」も原因か

[ 2020年2月10日 05:30 ]

 中国国家衛生健康委員会は9日、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスによる死者が中国本土で89人増え、計811人になったと発表した。2002~03年に大流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の世界全体の死者数774人を超えた。感染者も増え、累計で3万7198人となった。感染者のうち重症者が約6100人、感染疑い例は2万9000人近くおり、被害の拡大が続いている。

 英研究チームが患者数は中国当局発表の40倍になるとの見方を示すなど実態把握は困難。そんな中、中国国営通信の新華社(電子版)によると、上海市民政局が8日の会見で新たな感染経路に関して言及。専門家が中国国内で飛沫(ひまつ)感染、接触感染に加えて「エアロゾル感染」が含まれることを確認したと明らかにした。

 エアロゾル感染とは、空中に漂う微粒子(エアロゾル)からの感染を指す。「飛沫」「接触」の感染リスクは半径1~2メートル程度と言われる一方、BBC(電子版)の中国語版は「エアロゾル」について長距離を移動するためリスクが高まるとしている。

 感染経路は患者の排せつ物からも陽性反応が確認されるなど多岐にわたることが分かっているが、現時点では中国国内での報告にとどまっている。BBCは専門家の話として「トイレのふたを閉めてから水を流すことで空気中のエアロゾルの濃度を大幅に減らすことができる」などと対策を呼び掛けている。

 エアロゾル感染を巡って、日本でも政界が注視を始めている。国民民主党の原口一博国対委員長はツイッターで「新型コロナウイルスがエアロゾル感染するか、否かは、厚労省にも確認を急ぐように要請した」と投稿。自民党の佐藤正久参院議員もツイッターで「これが事実なら、武漢の展示場に大量のベッドや医療器具を搬入して病院施設にしているが、それではエアロゾル感染を防げないことになる」と警戒を強めた。

 山野美容芸術短大客員教授(感染症学)の中原英臣氏は「中国側の発表が正しければ、これまで主な感染経路とされてきた飛沫感染から新たなステージに移りつつある」と指摘。日本は中国と同じ状況に至っていないことから拡大阻止へ引き続き厳重な水際対策が求められそうだ。

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