安倍首相、「五輪」連発で“五難”隠し 施政方針演説で不祥事スルー

[ 2020年1月21日 05:30 ]

 安倍晋三首相は第201通常国会が召集された20日、衆院本会議で施政方針演説を行い、7月に開幕する東京五輪・パラリンピックを“ゴリ押し”した。昨年9月の内閣改造以降、安倍政権は不祥事や疑惑など5つの火だねを抱える中、この“五難”にほぼ言及することはなかった。

 演説はいきなり「五輪」から始まった。1964年東京五輪の聖火リレーを通じて、日本の経済成長を世界に発信したと強調。半世紀ぶりとなる東京五輪で国民の力を合わせて「一丸となって新しい時代へと踏み出していこう」と呼びかけた。

 五輪、パラリンピックという単語を計19回使用。演説が始まって15分ほど過ぎて「東洋の魔女が活躍したバレーボール…」と言い出した時には「オリンピックばっかりじゃないか」とヤジも飛んだ。

 「五難」は(1)統合型リゾート施設(IR)事業を巡る汚職事件(2)「桜を見る会」名簿破棄を巡る公文書管理問題(3)菅原一秀前経産相の金品贈与疑惑(4)河井克行前法相、案里参院議員夫妻の公職選挙法違反疑惑(5)イラン問題緊迫化の中での自衛隊中東派遣。このうち触れたのは中東派遣だけだった。ジャーナリストの大谷昭宏氏は「五輪開催を高らかにうたうことで疑惑を隠してはならない」と強調。「まずは身を正すべきだ」と批判した。

 本会議前に菅原氏が昨年10月の大臣辞任後初めて記者団に対応したものの、疑惑への説明は「当局から要請があれば協力する」の一点張り。案里氏も会見したが具体的な説明は捜査を理由に語ることはなかった。政治アナリストの伊藤惇夫氏は「政治家である前に社会人としてどうなのか。納得できない有権者は多いはずだ」と指摘した。

 今国会の会期は6月17日までの150日間。東京都知事選、五輪・パラリンピックが控えているため延長は難しい。野党は「五難」への攻勢を強める構え。この日の演説のように安倍政権が自らの足元を省みなければ、国民からも非難の声が上がりそうだ。

 《菅原氏、議員辞職を否定》菅原氏は記者団を前に議員辞職を否定した。一部で選挙区内の有権者にカニやメロンを贈るなど、公職選挙法違反が報じられているが「違法なことはしていない」と主張した。また河井氏は「捜査中で支障を来さないよう発言を慎む」と繰り返すだけだった。妻の案里氏は「捜査の進展を見つつ、区切りが付いたら説明したい」と述べた。IR汚職で名前が取り沙汰された自民党の白須賀貴樹、船橋利実両衆院議員も姿を見せたが詳細を語ることはなかった。

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