国内で初「新型肺炎」感染確認 中国籍の男性 解熱剤飲んで検疫通過

[ 2020年1月17日 05:30 ]

 厚生労働省は16日、中国湖北省武漢市に滞在歴がある神奈川県居住の30代の男性が、中国で拡大している新型のウイルス性肺炎に感染したのを確認したと発表した。日本国内での患者の確認は初となる。

 政府関係者によると、男性は中国籍という。武漢市に渡航中の今月3日に発熱し、6日に日本に帰国。10日に入院し、15日に退院した。国立感染症研究所の検査で15日に新型のコロナウイルスの陽性反応が出た。現在は自宅で療養している。発熱はないが、軽いせきは出ているという。同省によると男性は帰国時に解熱剤を飲んで検疫を通過していた。空港名は明らかにしていない。

 コロナウイルスは人や動物に感染するウイルスの一種。人に感染するタイプは数種類が知られ、風邪などの軽い症状にとどまるものが多い。ただ、中には重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)のように重症化しやすいものもある。SARSはコウモリ、MERSはラクダから人に広がったとされる。

 武漢市では41人がこのウイルスによる肺炎と診断され、うち1人が死亡。多くが海鮮市場で働く人と客で、当初、人から人への感染は認められていなかった。しかし、15日になって同市内の同じ家庭内での発症例が1件あったことが判明した。

 国内で感染が確認された中国籍の男性は海鮮市場には立ち寄っていないが、肺炎の症状が出ている人と「濃厚接触」していた。「濃厚接触」とは同居する家族など、同じ場所に長時間いる場合を指す。接触相手が新型肺炎の発症者だったかどうかは分かっていない。

 帰国後の男性の周囲でも、同居する家族や接触した医師を含め二次感染が疑われる患者は出ていない。ただ、厚労省は長時間患者と同じ場所にいるなどの状況で人から人に感染する可能性は否定できないとしている。また、症状が出ないか軽いために感染が見逃されている恐れもある。

 今月24日から中国では旧正月「春節」で、大型連休が始まり日本への訪日客も増加する。厚労省はウイルスの国内流入に備え、検疫体制を強化。手洗いやうがい、マスク着用など感染症対策を徹底するよう注意喚起した。

 《初受診8日後に厚労省に連絡》厚生労働省は16日、医療機関から報告があったのは男性が最初に受診してから8日後の14日だったと明らかにした。現時点で家族や医師らに二次感染は起きていないが、厚労省は、国内で誰と接触したかや、感染が広がっていないかどうかを引き続き調べる方針。今後は早急に患者発生を把握できるようにするため、武漢市から帰国した人がエックス線検査で肺炎と診断された場合は重症でなくても保健所に相談するよう監視態勢を強化した。

 《武漢市で来月ボクシング五輪予選》武漢市では、2月にボクシングの東京五輪アジア・オセアニア予選が開催される。16日、日本ボクシング連盟の担当者は「現地で行われる以上、予防対策を講じる必要がある。当日までに終息すればいいが…」と不安を口にした。

 同連盟によると、予選には男子6階級、女子5階級の選手ら計24人を派遣予定。7日には、東京五輪の運営を主導する国際オリンピック委員会(IOC)の特別作業部会から「中国当局は人から人にたやすく感染しないと暫定的に判断している」との情報提供があり、現時点で予選は予定通り開かれる見通しという。

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