五輪水球会場にアスベスト 都、2年前から把握も「現状維持」で放置

[ 2019年12月31日 05:30 ]

 2020年東京五輪の水球会場となる東京辰巳国際水泳場(東京都江東区)で、大屋根の柱脚2カ所の一部にある耐火被覆材からアスベストが見つかっていたことが30日、都への取材で分かった。普段立ち入りできないエリアの鉄骨に吹き付けられ、全体がパネルで覆われているため触れる恐れはないと説明しているが、応急的な封じ込め対策を取る方針。

 辰巳水泳場は1993年に開館した国内有数の水泳施設。都によると、都は18年秋から東京大会に向けて階段に手すりを設けるなどの改修工事を実施した。工事前の17年の調査でアスベストの使用が判明。吹き付けられていた場所や劣化状態から、アスベストに関する都の基準で「当面は現状を維持する」に該当していたため対策を取っていなかった。

 東京都はこれまでの対応を見直し、世界中の観客が集まる五輪施設ということを重視して方針を転換。対策を講じることにしたという。

 辰巳水泳場は大会後、通年で利用できるアイスリンクへの転用が計画されている。

 アスベストは「石綿」とも呼ばれ、軽くて燃えにくい性質があり、主に建築物の屋根などに使用されてきた。一方、発がん性が高いため、飛び散ったり吸い込んだ人が健康被害を訴え社会問題となった。厚生労働省のホームページによると、アスベストが原因で発症する病気は石綿肺、肺がん、中皮腫など。いずれもアスベストのばく露から長い潜伏期間を経て発症する。肺がんの場合は15~40年とされている。

 日本では06年から労働安全衛生法に基づき、製造、使用などが全面禁止されている。アスベストを含む建築材を使った建物は約280万棟あるとされる。国土交通省の推計では、老朽化などによる解体工事は今後増え、2028年に2013年の2倍となる10万棟に達する見通し。そのため、国は飛散防止対策を強化している。

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