“菅株”大暴落 「令和おじさん」ポスト安倍浮上も今や…

[ 2019年12月29日 10:30 ]

激動2019 政治社会編(13)

 4月1日に改元を発表し「令和おじさん」として一躍時の人になった菅義偉官房長官が崖っ縁に追い込まれている。「ポスト安倍」に急浮上したが、絶頂から1カ月余りで“菅人脈”の大臣に不祥事が相次ぎ、株価は大暴落。首相との関係悪化も取り沙汰される中、推進してきた統合型リゾート施設(IR)を巡る汚職事件まで発生。年明け以降、矢面に立たされることは間違いない。

 新元号「令和」を発表してから8カ月余り。菅氏は年内最後を締めくくった27日の会見で「政権を維持していくと常にいろいろなことが発生する」と徒労感をにじませた。

 令和フィーバーの追い風に乗り政治的求心力を高め、9月の内閣改造人事で影響力を発揮。ところが1カ月足らずで、菅氏に近い菅原一秀、河井克行両氏にスキャンダルが相次ぎ経済産業相、法相をスピード辞任。起用を後押ししたとされる小泉進次郎環境相もメッキがはがれ、菅氏の株価も暴落した。

 自身の周辺が失点を重ねる一方、首相側近の萩生田光一文科相の「身の丈」発言、首相夫妻を直撃した「桜を見る会」問題など“首相案件”では答弁が変遷。疑惑が疑惑を生む悪循環にはまり、「トップとナンバー2が醜聞の尻ぬぐいをし合って、隙間風が吹いている」と政界関係者は言う。

 取り巻く状況は悪化する一方だ。25日、IRを巡る収賄事件で前IR担当副大臣の秋元司容疑者が逮捕。推進役の菅氏は「早期に着実に進める」と強気の姿勢を貫く。

 目下の懸案はカジノを規制する「カジノ管理委員会」だ。委員の元警視総監の樋口建史氏が菅氏に近いとされており、野党議員は11月、菅氏が人選に関与したかどうか確認を求める質問主意書を提出。政府は「関係法令に基づき選定した」としているが、来年1月7日に予定通り設置されれば、再び“菅人脈”が追及の対象になっていくとみられる。

 菅氏の失速によって、「ポスト安倍」レースは混迷を深める。首相は27日のBS番組で「ポスト安倍」候補として、自民党の岸田文雄政調会長や菅氏ら4人の名前を列挙した。「政権禅譲」をにらむ岸田氏は7月の参院選で自派閥の現職候補4人が敗北。求心力は回復せず、報道各社の世論調査では菅氏より人気が下回る。

 それでも永田町関係者は「番組で首相は岸田氏の名前を最初に挙げた。高く評価している証だ」と指摘。「選挙で存在感を示した菅氏の求心力をそぐために、首相周辺が醜聞を流したという臆測まで飛び交っている」と不気味な“菅おろし”を感じ取っている。

 来年1月20日召集の通常国会で焦点になるIRと桜を見る会はいずれも、菅氏が深く関わる。野党から集中砲火を浴びるのは必至だ。政界関係者は「“菅を見る会”になるのは間違いない。桜が咲くまでもたないかもしれない」とみる。

 菅氏は来年の干支(えと)の子(ね)年生まれ。噴出した疑問に逃げ回ることなく答弁していくか注目だ。(特別取材班)

続きを表示

「ジャニーズ」特集記事

「騒動特集」特集記事

2019年12月29日のニュース