GSOMIA韓国屈服 失効まで残り6時間、米の圧力で急転維持

[ 2019年11月23日 05:30 ]

 韓国大統領府は22日、8月に破棄すると日本政府に通告していた軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を当面維持することを決めた。失効が23日午前0時に迫る中、急転直下の判断となった。背景にあったのは米国の強い圧力。外交で“独り相撲”を続けて八方ふさがりとなった文在寅政権は、国内の岩盤支持層にも失望感を与え、孤立が深まりそうだ。

 失効まで残り6時間に迫ったこの日午後6時。韓国大統領府は「8月の破棄通告の効力を停止する」と発表。急転直下で失効が回避され、北朝鮮をにらんだ日米韓の軍事的連携は形式上、従前通り維持された。安倍晋三首相は「日韓、日米韓の連携は極めて重要だ。韓国も戦略的観点から判断したのだろう」と述べた。

 米国務省は「米国は韓国の決定を歓迎する」との声明を発表した。

 韓国人元徴用工訴訟問題を発端とし、日本による韓国への輸出規制強化に反発して韓国が打ち出したGSOMIA破棄問題。韓国は、貿易管理に関する協議が継続する間は世界貿易機関(WTO)の紛争解決手続きを中断すると日本に伝えた。経済産業省は対韓輸出規制に関し「今後も個別審査を通じて、許可を行う方針に何ら変更はない」と立場を変えない方針を示す一方で、問題解決のために課長級の準備会合を開くと明らかにした。

 文政権が方針を急転換させた最大の要因は、失効期限が近づいた11月以降、政府高官を相次いで派遣し再考を強く求めた米国の対応だ。米側は米軍駐留費交渉で、今年の負担額の5倍を超える増額の要求も行い、明白な圧力をかけ続けた。韓国人記者は「失効すれば北東アジアの安全保障環境を損ない、米国に負担増の口実を与える」と分析。防衛省幹部は「協定継続を望む米国の強い働きかけを受けて、韓国は折れるしかなかったのだろう」との見方を示した。

 韓国は中国とも、在韓米軍の「高高度防衛ミサイル(THAAD)」配備問題を巡り、関係が冷え込んだまま。北朝鮮との関係改善に力を入れるが、米朝協議の停滞を受けて前進していない。協定失効回避で日米韓の枠組みに何とかとどまった文政権だが、外交的な孤立は続く。

 さらに国内でも苦境に立たされる。世論調査では協定破棄支持が51%で、不支持の29%を大きく上回り、与党支持層では破棄支持が78%と圧倒的だった。失効回避で支持層の離反を招く可能性は高く、来春に総選挙を控える中、厳しい政権運営が迫られる。

 ≪日韓首脳会談、来月下旬に≫日韓両政府は安倍首相と韓国の文氏の会談を12月下旬に中国四川省の成都で開く方向で調整に入った。日中韓首脳会談に合わせて実施する。複数の日韓関係筋が22日、明らかにした。会談が実現すれば、昨年9月以来約1年3カ月ぶりとなる。GSOMIAや対韓輸出規制強化を巡る対立の激化を回避したのを受けて、最大の懸案である元徴用工問題を巡る協議の進展を図る。 

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