逃走男「もう疲れた」58時間で身柄確保 護送車から手錠、はだしで…大阪を転々

[ 2019年11月12日 05:30 ]

 大阪府東大阪市で覚せい剤取締法違反(所持と使用)の罪などで公判中に保釈を取り消され、大阪地検が収容した大植(おおうえ)良太郎被告(42)が護送中の車から逃走した事件で、大阪地検は11日午後2時ごろ、大阪市内の淀川に架かる橋の上で身柄を確保した。

 9日の発生から2日。大植被告が淀川に架かる十三大橋の上を1人で歩いていた時だった。「大植か?」「そうです。もう疲れました」。発見した捜査員の職務質問に素直に本人だと認め、抵抗もせず身柄を確保された。逃走時に右手首についていた手錠は外れ、グレーの帽子をかぶり、縁の黒いサングラスをかけていた。

 捜査関係者によると、東大阪市の河内署から約2キロ先の枚岡署へ大植被告を護送していた9日午前4時ごろ、事務官3人が乗った車内で同被告が「手錠がきつい」と訴えた。事務官が左手の手錠を外したところ、暴れてスライドドアを開けようとし、ドアが半開き状態に。運転していた女性事務官が車を止め、車外でもみ合いになり、被告は右手首に手錠、腰縄をつけた状態のまま、はだしで逃げた。

 その後、大植被告が身を寄せたのは、住吉区に住む知人の男の家だった。9日の正午ごろから10日午前6時ごろまで住吉区の住宅や同市西区のマンションに身を潜めていたとみられる。府警は知人の塗装工アルバイト荻野侯昇容疑者(37)を犯人蔵匿の疑いで逮捕。他にも複数の少年が関与しているとみている。

 捜査関係者によると、10日午前に住吉区の駐車場で荻野容疑者が普段使用し、大植被告が乗ったとみられる車を発見したが、再び逃走していた。

 大阪地検では10月30日に、収監予定だった女の逃走事案が発生したばかり。同地検の上野暁総務部長は「今後の収容の在り方などをしっかり検討する」と謝罪。失態が相次いだことで住民は検察への不信感を募らせており、信頼回復が急務となっている。

 《刑罰最大1・5倍も》大植被告は覚せい剤取締法違反などの罪で公判中だったため、新たに逃走罪が加わる。元東京地検検事の大沢孝征弁護士によると「2つの罪のうち重い方の刑罰を最大1.5倍まで科す、併合罪の扱いとなる」という。逃走罪は1年以下の懲役と刑が軽いため、覚せい剤取締法の10年以下の懲役が最大15年まで引き上げられることとなる。ただ実際には「1年半~2年の懲役」になるとみられるという。「初犯でも執行猶予は絶対つかないだろう」と指摘した。

 【逃走の経過】
 4月19日 大植被告を覚せい剤取締法違反(所持)の罪で起訴
 26日 保釈が決定
 5月31日 覚せい剤取締法違反(使用)の罪で追起訴、4月起訴分を同法違反(所持)の罪と大麻取締法違反(所持)の罪に訴因変更
 6月24日 初公判に出頭。以降、3回目までは出頭する
 9月12日 判決公判に出頭せず
 26日 判決公判に再び出頭せず
 10月17日 3回目の判決公判にも出頭せず
 11月7日 保釈取り消し
 9日 大阪府東大阪市で大阪地検が護送していたワゴン車から逃走
 11日 大阪市北区で身柄を確保

続きを表示

「紅白歌合戦」特集記事

「ジャニーズ」特集記事

2019年11月12日のニュース