「こち亀」秋本治氏、ジャンプ作家初の紫綬褒章「もし両さんが受章を知ったら…」

[ 2019年11月2日 05:31 ]

紫綬褒章を受章した秋本治さん。「こち亀」200巻を手に笑顔
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 政府は2019年秋の褒章受章者を2日付で発表した。受章者は754人(うち女性147人)と25団体。3日に発令される。学問や芸術などで功績を残した人に贈られる紫綬褒章には、人気漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の漫画家・秋本治さん(66)らが選ばれた。紫綬褒章は17人で、俳優の余貴美子さん(63)、脚本家としてNHK連続テレビ小説「ちゅらさん」などを手掛けた岡田恵和さん(60)、落語家の入船亭扇遊(66)にも贈られる。

 秋本さんの代表作「こち亀」は、週刊少年ジャンプ(集英社)で40年連載され、単行本は通算200巻に達する漫画史に残る長寿作。受章を「仕事が好きで、ずっと描いてきた。その先に、こういうものが待っていたことが感動です」と喜んだ。

 「こち亀」は型破りな警察官、両津勘吉が主人公。「もし両さんが受章を知ったら、亀有の商店街を挙げて祝うんじゃないかな」とほほ笑んだ。

 午前9時に描き始め、午後7時半には描き終える規則正しいスタイルを続けてきた。朝が遅く、徹夜続きのイメージが強い漫画家の中では“異端児”。「マイペースを続けられたことが大きかった」と、2016年まで一度も休載せず連載を続けた。

 「マガジン」「サンデー」などに比べて後発となる「ジャンプ」育ちの漫画家では初の紫綬褒章受章。人気作家や担当編集者同士の強烈なライバル心が雑誌全体のパワーを生み出していたともいわれるが、秋本さんは「僕は火花など散らしません。少しでも(読者からの人気投票の)票を取ろうと頑張っていました。ライバルと切磋琢磨して…というのももちろん分かるのですが、僕はそういうタイプではない」と自己分析した。

 「こち亀」の週刊連載終了から3年がたち“こち亀ロス”を感じることもあるようだ。不定期で読み切り作品として発表を続ける一方で「いつでも描けると思っていましたが…。自分が描いたのかと思えることもある」と寂しそうに話した。

 現在は西部劇の「BLACK TIGER―ブラックティガー―」とスパイ物の「Mr.Clice ミスタークリス」2作品を連載中。「(西部劇の)ランプとろうそくの生活を描いていて、頭を(現代に)戻すのが大変」と両作品の間を行き来するのを楽しんで描いている。「こういう分野も描けるのかと、新しい自分を発見できるのが、うれしい」と創作の喜びを語った。

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