命日に運命の南ア戦…平尾誠二さん行きつけのバーも休日返上“ハイボールで応援”

[ 2019年10月20日 05:30 ]

平尾誠二さんの遺影(左)が飾られた神戸市のバー「MY―BAR」で葉巻を吸う店主の片山幸彦さん
Photo By スポニチ

 20日にラグビーW杯準々決勝の南アフリカ戦に臨む日本代表。その試合を特別な思いで見守る人がいる。元日本代表監督、平尾誠二さん(享年53)が生前毎日のように29年間通っていた神戸市のバー「MY―BAR」店主の片山幸彦さん(72)。くしくも20日は2016年に亡くなった平尾さんの命日。日曜は定休日だが、常連客と平尾さんの遺影とともに声援を送る。

 巡り合わせ以上の何かを感じる。平尾さんの命日に実施されるW杯準々決勝。片山さんは同店が定休日のため「10月20日は平尾が飲みに来る日。おらんかったらかわいそう」と、1人で店に来てカウンターの一番出入り口側にある平尾さんの指定席の遺影相手に献杯するつもりだった。ところが快進撃でその“教え子”たちの試合が巡ってきた。常連客の要望にも応え、休日返上を決めた。

 生前、多ければ「月曜から土曜まで」スコッチウイスキー・フェイマスグラウスのハイボールを2、3杯飲んで帰った。「ギアチェンジする場所。ホッとしに来てた」と、姿を見せれば話し掛けずともハイボールを指定席に置いた。

 ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(49)も主力選手として出場した1999年、ウェールズで開催された第4回W杯には平尾ジャパンの応援に駆けつけるほどの間柄だった。

 片山さんには悔いがある。2015年秋の発病直前。「カタやん、行かへんか?」と誘われて一緒にゴルフをした後、連絡がつかなくなった。翌年2月、同店へ突然姿を見せた平尾さんはマスク姿でやせていた。その日は指定席ではなく、なぜか一番奥の席に座った。メールも通じないことなどから病状を察知していた片山さんはウーロン茶を出した。

 「気を使われるのが嫌な男。ハイボール出したらよかった」。20分ほど滞在して「帰るわ」。地下1階の同店までエレベーターで降りて入店した平尾さんが、店を出る際は階段を自力で上がった。片山さんの視線を意識したのだろうか。

 「最後の晩だけは(サヨナラと)手を振りよったなあ。もう来られへんと思ったんかな」。常連客とマスター。それ以上の関係性が2人の間に横たわっていた。「“せいちゃん”の命日にベスト8(の試合)があるなんて。縁を感じる」。日本ラグビー史上最上ステージでの80分間は特別な時間になりそうだ。

続きを表示

「ジャニーズ」特集記事

「ラグビー」特集記事

2019年10月20日のニュース