千曲川堤防決壊 エリンギ 泥に埋まる 国内シェア1位ホクト「全滅」

[ 2019年10月18日 05:30 ]

出荷を前に廃棄を余儀なくされたエリンギ
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 千曲川の堤防が決壊し濁流の跡が色濃く残る長野県長野市赤沼地区の「赤沼きのこセンター」。エリンギの国内シェアNo・1のホクト株式会社が運営する生産施設だ。甚大な被害に見舞われ、今なお社員らが復旧作業に追われている。

 施設に足を踏み入れると、辺りは一面の泥。この日も社員や付近の業者ら総勢70~80人が土砂のかき出しや、家具・業務機器の洗浄を行っていた。乾燥した天気だったため、土ぼこりが舞い上がり、空気は茶色い。施設の壁には、1メートルを超える水位にまで達した濁流の痕跡が生々しく刻まれている。

 生産本部長の小松茂樹さん(68)は「3日前からようやく作業を始めました。被害規模も再稼働の予定も全く見えません」と肩を落とす。約1・5万平方メートルの敷地のうち、1階部分は全て水没。エリンギを育てるための培養ビン約450万本や冷蔵施設、業務機械も被害を受けた。「育てている最中のものから出荷直前のものまで、この工場のエリンギは全滅です」という。

 エリンギは生育過程の中で二酸化炭素を排出する。通常なら換気機能が作動しているが、停電のため生育・培養室の中は二酸化炭素が充満。前日16日から手動で換気を行いようやく中に入れるようになったが、作業員たちは人体に影響がないよう細心の注意を払って作業にあたっている。記者も室内に足を踏み入れると、そこには何ケースもの泥にまみれた培養ビンがあった。

 同社が生産するエリンギは、国内シェア46%に当たる年間約1・8万トン。全国に10カ所にある工場のうち、同施設は年間3000トンを出荷する主要施設だ。何とか生産量をキープするために他の工場での出荷量を増やすなどの対応をする。小松さんは「どんなに時間がかかっても安心、安全であることが一番大事。未曽有の災害ではあるが、ブランドを落とさないよう丁寧に復旧作業を進めたい」と前を向いた。 (吉澤 塁)

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