台風19号 10県で35人死亡 17人行方不明 千曲川堤防決壊「屋根まで水が」

[ 2019年10月14日 05:30 ]

 東日本を縦断し、13日に温帯低気圧に変わった台風19号による猛烈な雨の影響で、長野県の千曲川など21河川の24カ所で堤防が決壊し、住宅地などをのみ込む大規模な洪水被害が各地で発生した。土砂災害も相次ぎ、10県の35人が死亡し、17人が行方不明となった。負傷者も多数に上った。長野市のJR東日本の車両センターでは北陸新幹線車両10編成が水没。孤立状態になる地域も多く、各地で救助活動が続けられた。

 あたり一面がまさに泥の海と化していた。堤防の切れ目から濁った水が勢いよく住宅地に流れ込み、川と陸地の区別がつかない。台風19号の上陸から一夜明けた13日、長野市穂保(ほやす)地区では千曲川の堤防が約70メートルにわたって決壊。住宅の1階部分まで茶色い水に完全に漬かっていた。午前6時に決壊が確認されるなど、深夜から早朝にかけての突然の出来事に避難が遅れた。

 「屋根まで水が来ている」。市消防局には119番が殺到し、福祉施設など5カ所には高齢者ら計約360人が取り残された。「2階に逃げているが、外に避難できない」との救助要請もあったが、長野県庁の災害対策本部室の担当者は「激流でなかなか現場に近づけない」と難航する救助活動に頭を抱えた。下水処理施設も水につかり、復旧のめどが立っていない。

 さらには、JR東日本の「長野新幹線車両センター」が水没し、北陸新幹線の車両10編成120両が水につかった。堤防決壊で、大量の水が流入したとみられる。水につかったのは、JR東が保有するE7系8編成とJR西日本が保有するW7系2編成。屋外が7編成、屋内が3編成だった。北陸新幹線は通常、E7系19、W7系11の計30編成で運用しており、3分の1が被害を受けたことになる。120両の製造費用は約328億円。車両の補修にはかなりの時間を要するのは確実だという。

 同センターはJR長野駅の北東約10キロの新幹線の沿線にある。営業運転を終えた車両を収容する施設で、車体を検査・整備する機能も持つ。社員はセンターの安全な場所や近くの避難所にいるが、地区一帯が浸水しており、詳しい状況が確認できていない。この影響で北陸新幹線の「かがやき」と「はくたか」は13日の終日運休を決定した。

 千曲川では上流の長野県上田市でも堤防決壊の可能性があるほか、上田電鉄別所線の上田―城下間にある全長約220メートルの鉄橋の一部が崩落した。当面は復旧の見通しは立たず、不安な日々が続きそうだ。

続きを表示

「紅白歌合戦」特集記事

「ジャニーズ」特集記事

2019年10月14日のニュース