倒壊ゴルフ練習場に住民怒り爆発 台風後「全て補償」2日後に「各自保険で」180度転換

[ 2019年9月21日 05:30 ]

台風15号の影響で倒壊し、住宅を直撃したゴルフ練習場の鉄柱
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 台風15号の影響で、ネットを支える鉄柱が倒壊した千葉県市原市のゴルフ練習場「市原ゴルフガーデン」と、その鉄柱による住宅被害を受けた住民らが補償問題を巡って全面対決の様相を呈している。練習場側の弁護士から被災家屋の補償をしない意向を伝えられた住民らが怒りを爆発させたもので、最終的には法廷闘争へと発展しそうな雲行きだ。

 大型の台風17号の接近により、千葉県などの台風15号の被災地域では21日から23日にかけて断続的に強い風や雨が降る見込みで、各地で二次被害の発生が懸念されている。そんな中、補償問題を巡るドロ沼の対立が表面化。被災住民の怒りは収まりそうもない。

 倒壊事故が起きたのは台風15号が千葉県を直撃した9日未明のこと。ネットを支える高さ約30メートルの鉄柱13本が約110メートルにわたって倒壊し、近隣の住宅16軒が屋根を押しつぶされるなどの被害を受けた。2日後の11日に住民説明会が開かれ、その場で練習場の女性オーナーは「修繕費やレンタカー代など、全て補償します」との意向を示していた。

 だが、さらに2日後の13日にオーナー側の弁護士が被災住民の一部に電話で「鉄柱の撤去はするが、自然災害なのでそれ以外の補償はしない。各自が火災保険で対応してもらうことになる」と通告。180度真逆の方針転換に住民の怒りは爆発した。オーナー自身も住民からの「ブルーシートをかけてほしい」という要望に対し「ご自分でやられて、後で領収書を持ってきてください」などと受け流し、火に油を注いだ。

 生後3カ月の息子とともに崩れた2階天井の下敷きとなった湯浅健吾さん(29)は「修繕はもちろん、それ以外の経費も必ず補償してもらわないと」と徹底抗戦の構え。左目上に瓦が直撃し救急搬送された寺西和彦さん(61)も「全く誠意が感じられない」と憤った。

 火災保険で対応するにしても、その補償範囲は契約内容によってまちまち。住民からの問い合わせが殺到したため、オーナー側の弁護士は19日夜になって一部住民に対し「火災保険で足りなかった分は補償する」と回答してきたそうだが、どこまでが補償対象となるかは不透明なままだ。住民側は裁判やむなしの姿勢だが、これにも弁護士は「もし裁判に負けたら損することになりますが、大丈夫ですか?」と一歩も引かなかったという。

 21日にも鉄塔を撤去する解体業者が現地調査を行う予定で、早ければ連休明けの24日にも作業を開始する見通し。1カ月以上かかるのは必至で、その費用は約2000万円にも達するという。台風17号の接近で倒れた鉄柱がさらに住宅を押しつぶす可能性もあり、住民の怒りと不安が交錯する日々はまだまだ続きそうだ。

 《不備原因で賠償請求可能》自然災害によって生じた損害は、他人の故意または過失により生じたものではないため、原則的に不法行為に基づく損害賠償請求をすることはできない。だが、民法717条は「土地の工作物等の占有者及び所有者の責任」を定めており、土地の工作物(今回の鉄柱に該当)の設置または保存に不備があった場合には、自然災害で生じた損害でも賠償を求めることが可能だ。ある被災住民は「鉄柱の足場が浅く、倒壊は不備によるもの」と強く主張していた。

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