台風15号直撃から1週間…千葉・君津市議選15日告示「こんな時に選挙しなくても」

[ 2019年9月17日 05:30 ]

老朽化したガレージが台風の影響で倒壊。保管してあった自動車が下敷きになっていた
Photo By スポニチ

 【本紙記者現地ルポ】台風15号が首都圏を直撃してから16日で1週間を迎えた。千葉県では依然として大規模な停電と断水が続き、この日は一部地域に一時避難勧告が出されるほどの猛烈な雨が降り注いだ。生活インフラの復旧が遅れる房総半島の住民には疲労の色がにじむ。苦境が続く君津市を歩いた。(岸 良祐)

 今なお一部で電気と水が止まっている君津市東部の小櫃(おびつ)地区。瓦が剥がれた屋根をブルーシートで覆った家屋が広がる。ガレージは跡形もなく崩れ、その瓦礫(がれき)に埋もれた車は野ざらしのままだ。台風の爪痕が深く残っていた。

 「家は屋根瓦がボロボロ。電気も水も止まったまま」。本橋正行さん(47)は途方に暮れた様子で自宅の被災状況を口にした。「家にいても食事もまともにできない」と、9日から公民館に避難している。車を持っていないため、この1週間、自宅に戻ることができていない。「どうなっているのか見に行けず心配」とため息をついた。

 近藤政司さん(72)の自宅は電気が復旧したが、現在も断水が続く。「風呂が困る。井戸の水を手作業でくんで、水風呂に入ってしのいでる」と疲れ切った表情で語った。

 15日夜から土砂降りの雨に見舞われた。台風で屋根を飛ばされた家では、ブルーシートをかけて応急処置しただけの人も多かった。60代の男性は「早く屋根を修理したいが、どの家も瓦職人に頼んでいる。いつ修理してもらえるのか見通しも立たない」と嘆いた。

 住民の避難先で、支援物資の配布場所にもなっている公民館。その一角が、15日に告示された君津市議選(22日投開票)の期日前投票所になっていた。災害対応で人繰りが厳しい中、他の自治体から駆け付けたスタッフらが受け付けなどを行っていた。

 ただ、投票に来る人はほとんどいない。1票を投じた60代女性は「こんな中、お年寄りは出掛けるだけでも大変。可能ならば時期をずらしてほしかった」と苦言。別の60代女性は「まだまだいろんなことが片付いてないのに、こんな時に選挙しなくても」と不満を漏らした。

 市選挙管理委員会によると、現職の任期が27日に満了となることから、公職選挙法上、選挙を行う必要があったという。支援物資を受け取った女性は「まだ投票する余裕なんてない」と足早に帰りの車に乗り込んだ。

続きを表示

この記事のフォト

「ラグビーワールドカップ2019日本大会」特集記事

「結婚特集」特集記事

2019年9月17日のニュース