ノロノロ台風10号原因か 海の事故多発…離岸流&戻り流れにご用心

[ 2019年8月14日 05:30 ]

12日、千葉県館山市で男性が行方不明となった現場周辺を捜索する海上保安庁の巡視艇など(共同通信社ヘリから)
Photo By 共同

 夏休みも中盤に入り、各地で水の事故が相次いでいる。注意しなければいけないのが「離岸流」と「戻り流れ」と呼ばれる水流。天気が良くて風のないビーチを襲うこともあるという。台風10号は、14日にも西日本に上陸の見込みだが、台風から離れた場所でも警戒が必要だ。

 海上保安庁は13日、遊泳や釣り、マリンスポーツで10~12日に海難事故に巻き込まれたのは全国で計63人おり、うち死者と行方不明者が19人に上ったと明らかにした。

 全国各地で水の事故が起きた理由について、水難事故と救助に詳しい「水難学会」の斎藤秀俊代表は「台風10号の影響によって、各地の海水浴場で強い“離岸流”や“戻り流れ”などが発生した可能性がある」と指摘する。

 「離岸流」は、海岸の地形によって陸に向かって1カ所に集中した波が、沖に戻る際に生ずる水の流れで、巻き込まれると逆らえないほどの力が強い流れだ。

 「戻り流れ」は、水深が急に深くなる海岸などで起きる。海中の斜面にぶつかった波は高さを増し、浜辺の人をさらうこともある。「沖に戻る時の流れは離岸流の10倍もの速さ」という。

 一般的に波は、遠く沖合で発生し、ほかの波と混じって増幅を繰り返しながら“うねり”となって海岸線に到着。台風によって沖合で発生した波は“土用波”と呼ばれ、より強い波となって陸に向かう。斎藤さんは「最近の事故は各地でこの“土用波”が“離岸流”や“戻り流れ”を生み、より力の強い流れが発生した可能性がある」とみている。

 台風10号が速度が遅いことも思わぬ被害を広げている可能性がある。海水浴をしている場所が台風から遠いと天気が良く、風もない。そのため、海水浴客が急な流れが潜んでいることへ警戒心が弱まってしまうことはあるだろう。

 海上保安庁によると、10~12日は東日本や西日本の太平洋沿岸などで、風が弱くても強いうねりが入り、波が2~3メートルの高さになった場所もあった。

 台風10号は西日本の南の海上を北寄りに進み、お盆期間の14日から15日にかけて暴風域を伴って西日本に接近・上陸する恐れがある。台風から離れた東日本などの地域でも、沿岸部で急な高波が発生することがあり、海に近づく際は十分に注意したいところだ。

続きを表示

「渋野日向子」特集記事

「騒動特集」特集記事

2019年8月14日のニュース