仁義なき代理戦 ポスト安倍めぐり!?保守王国広島で自民分裂

[ 2019年7月9日 05:30 ]

広島市内で演説した河井案里氏。自民党幹部らの応援がない日は、少人数で回ることが多い(7月7日)
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 広島選挙区で、自民党の候補同士が“つぶし合い”を展開している。改選2議席で、6期目に挑む溝手顕正氏と、新人で元広島県議の河井案里(あんり)氏だ。互いの陣営が「いじめられている」と漏らす異常事態に発展。“ポスト安倍”を巡る岸田文雄政調会長と菅義偉官房長官の戦いも絡み、泥沼の様相を呈している。

 公示後最初の週末を迎えた広島市で、溝手氏は郊外の安佐南区にあるJR緑井駅前で演説した。2014年8月の豪雨で大きな被害に遭った場所だ。防災担当相を務めた経験を交え「皆さんの枕元に濁流が流れてこないようにするのが責務」などと訴え、市議や県議約10人と一緒に拳を振り上げた。

 一方の河井氏は、広島市中心部の商店街などで「何度でも挑戦できる日本、変化に合った日本をつくりたい」などと主張。二階俊博幹事長ら党本部の幹部クラスが連日、広島入りして応援しているが、1人でマイクを握ることが多いという。

 広島はこれまで、他党にダブルスコアで勝ってきた“自民王国”。ならば「今回は自民で2議席を」と新人の河井案里氏を擁立した。だが、これは党本部の意向によるもので「自民票の奪い合いになりかねない」と、溝手陣営からは反発の声が上がっている。県連幹部は「地道に固めてきた地元の岩盤に、中央からドリルをねじ込むような行為」と顔をしかめる。6月の事務所開きの際は、県連会長の宮沢洋一参院議員が「党本部によるいじめ」と話した。

 一方の河井陣営にも、複雑な思いがある。スタッフからは「溝手氏の票を奪うのでなく、新しい支持層を掘り起こそうとしているが…。党の意向を受けて出馬したのに、県連の協力は得られず苦しい面もある」との愚痴も漏れる。市議や県議のほとんどが溝手氏を支援。地元の支援団体を回って、門前払いされることも。「県連にいじめられていると思う人間がいてもおかしくない状態」という。党幹部から手厚い応援を受けていることで、溝手陣営の不満が高まる悪循環も起きている。

 加えて、ポスト安倍をにらむ動きも見え隠れする。広島は岸田派(宏池会)の国会議員6人を抱える“宏池会の牙城”。溝手氏が議席を失うことにでもなれば、岸田氏の影響力低下は避けられない。一方、河井氏の夫克行氏は菅氏の側近。菅氏は公示前から河井氏の応援のために広島入りするなど、河井氏との関係をアピールしている。永田町関係者によると「岸田さんは“2人を当選させれば禅譲する”というようなことを官邸に言われていて、(河井氏も応援するか)揺れている」との噂もあり、最後まで目の離せない戦いとなりそうだ。

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