老後2000万円問題、野党追及 安倍首相、イライラ釈明

[ 2019年6月11日 05:30 ]

参院決算委で答弁する安倍首相
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 安倍晋三首相は10日の参院決算委員会で、95歳まで生きるには夫婦で2000万円の蓄えが必要とする金融庁金融審議会の試算について「不正確で、誤解を与えるものだった」と釈明した。

 首相が出席して本格的な国会論戦が行われるのは、4月4日の同委員会以来、約2カ月ぶり。共産党の小池晃氏は「年金を当てにするな、自己責任で貯金せよというのは国家的詐欺に等しい」と首相を非難。今後も年金削減が進むとし「今の現役世代が年金受給者になった時に必要な貯金は2000万円では済まない」と訴えた。

 立憲民主党の蓮舫氏は、政府による2004年の年金制度改革が「100年安心」を掲げて実施された経緯を踏まえ「国民はうそだったと怒っている」と追及。首相は「そうではない」と主張。野党側から「(答弁が)長すぎる」などとヤジが飛ぶと「説明させないのはおかしい」とイライラを隠せない様子で反論した。

 麻生太郎副総理兼金融担当相は報告書を読んだか問われ「冒頭の一部、目を通した。全体を読んでいるわけではない」と語った。

 首相が神経をとがらせるのは、第1次政権時の07年参院選で惨敗する一因になった「消えた年金問題」とイメージが重なるから。消えた年金は、社会保険庁(日本年金機構の前身)による年金記録のずさんな管理が明らかになった問題。与党内にも「生活に密着したテーマは有権者に響く」と危機感が強まっている。

 こうした状況を受け、安倍首相は夏の参院選に合わせた衆参同日選を見送る方向で検討に入った。自民党選対筋は、野党が追及を強めているとして「同日選を打つのは厳しい状況になってきた」と語った。同日選に反対する公明党にも配慮。首相も、圧倒的議席を有する衆院での議席減を懸念していた。首相が最終判断すれば、26日閉幕の国会会期は延長せず、参院選は単独で「7月4日公示―21日投開票」の日程で実施される。

 一方、野党は衆院解散の可能性が完全に消えたとはまだ言えないと判断している。1986年の中曽根康弘首相(当時)による「寝たふり解散」の再現もあり得るとして、警戒を続ける考えだ。

 ▽2000万円問題 金融庁は資産形成に関する金融審議会報告書を3日に公表。17年の総務省家計調査に基づく試算では、夫65歳以上、妻60歳以上の高齢夫婦だけの無職の世帯では「毎月の不足額の平均は約5万円」で「今後20~30年の人生があるとすれば、不足額の総額は単純計算で1300万~2000万円になる」としている。

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