イラン、米軍攻撃計画あった 中央軍司令官、記者に言明

[ 2019年6月10日 05:30 ]

佐世保港に向かう米原子力空母エーブラハム・リンカーン
Photo By 共同

 イランが、米軍への攻撃を計画していた可能性が浮上した。マッケンジー米中央軍司令官(海兵隊大将)は中東に展開中の原子力空母エーブラハム・リンカーン艦上で同行記者らに、同空母の5月の中東派遣発表に関連し、イランがイラク駐留米軍や船舶の攻撃を計画していたとの見方を示した。AP通信が8日伝えた。

 イランへ12日から3日間の予定で訪問する安倍晋三首相は、難しい仲介役を務めることになりそうだ。

 マッケンジー氏は、同空母を中心とする艦隊・空母打撃群の派遣がなければ「攻撃が実行に移されていた可能性が高いと分析している」と述べた。複数の米軍幹部はAPに、イランの艦船、潜水艦、地対空ミサイルなどは5月初旬に「高度の(軍事的)準備状態」に入っていたことを明らかにした。

 トランプ米政権は昨年5月、イランの核開発を制限する合意からの離脱を表明して経済制裁を再開、イラン側は合意の一部不履行を表明した。米国の制裁に同調するサウジアラビアなども巻き込み、中東地域の緊張感は増す一方となっている。

 安倍首相は、5月末の日米首脳会談でトランプ米大統領からイラン訪問の要請を受けており、緊張緩和の期待を担う。イランの最高指導者ハメネイ師にトランプ氏との直接対話を促すとみられる。

 トランプ氏との個人的な信頼関係に加え、日本とイランは長年にわたる友好関係があり、政府・与党には当初「取り持つだけで外交的アピールになる」との見方があった。だが軍事的緊張は高まるばかり。永田町関係者からは「そんなに簡単な話ではない。イランはプライドが高い国」との声も上がる。イランと対立する中東諸国と日本の関係に、影響が及ぶ可能性もある。

 首相は9日、東京・銀座の新橋演舞場で俳優三宅裕司が座長を務める「熱海五郎一座」の喜劇を昭恵夫人と共に観賞した。イラン訪問を前に気分転換を図ったとみられる。参院選を前にした“得点稼ぎ”とみられた仲介役は一転、失点を招きかねないリスクも出てきた。

 ▼イランへの経済制裁 2015年、米・英・仏・独・中・ロの6カ国は、イランが核開発を制限する見返りに経済制裁を緩和すると合意。だが18年、トランプ氏は、制限が徐々に解かれる内容に納得いかず合意を離脱、経済制裁を再開した。トランプ氏が同年11月の中間選挙をにらみ、イランと対立するイスラエルの支持層である、キリスト教福音派を意識したとの見方もある。先月12日にはアラブ首長国連邦(UAE)沖合で、サウジアラビアのタンカー2隻を含む4隻の船舶が攻撃を受けた。米国はイランが実行したと主張。イランは否定し、対立が激化している。

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