【イマドキの仕事人】古墳にコ~フンしてますか~!? 自称1500歳シンガー 歌で魅力伝える

[ 2019年6月3日 05:30 ]

自慢のグッズを手にする、まりこふん
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 堺市にある日本最大の前方後円墳「仁徳天皇陵古墳(大山古墳)」を含む大阪府南部の「百舌鳥・古市(もず・ふるいち)古墳群」が、7月に世界文化遺産として登録される見通しとなった。全国で約16万基もあるとされる古墳の魅力を歌で伝えようと活動している女性がいる。自称約1500歳の古墳シンガー「まりこふん」だ。

 毎週のように全国各地で開催される古墳イベントの会場。鮮やかな緑色の巫女(みこ)コスチュームに身を包むまりこふん。「皆さん、古墳にコーフンしてますか!」と、お約束のギャグでステージ上からファンに呼び掛ける。「古墳deコーフン♪ 土器土器するよ~」「円墳 方墳 前方後円墳!」。全身からあふれ出る古墳愛を、魂を込めたパワフルな声で歌い上げる。

 これまで作った古墳の歌は40~50曲。CDアルバムを2枚発表している。歌詞には「生きるに目と書き 生目(いきめ)古墳」(イキイキ!生目古墳群)など固有名詞にユーモアを織り交ぜ、覚えやすいようにはっきりとした声で歌う。「中にはお墓なのに軽薄過ぎるという人もいますが、私は何とも思ってません。応援してくれる人が何十倍もいるので」と豪快に笑う。

 全国の各自治体や市民団体などが主催する古墳まつりに引っ張りだこ。「はとバス」主催の古墳巡りツアーでは案内役を務め、車内で歌を披露する。2013年には「古墳にコーフン協会」を設立し会長に就任。訪れた古墳は3000基以上に上るという。

 城や仏像、戦国時代ファンなどと触れ合う機会も多い。ただ「“歴女”と思われがちだけど、他の時代のことは正直興味が湧かない」と3~7世紀ごろの古墳時代ひと筋。「古墳に出合うまでの人生は、全て準備運動だったんだなと思う。それくらい人生が変わった」とまで言い切る。

 フォークソング愛好家の両親の影響で、自然と音楽の道を目指した。埼玉県の高校を卒業し都内の音楽専門学校へ進学。ブルースシンガーとして歌手、作曲活動を始めた。並行していたバンドの遠征で04年ごろに大阪を訪れた際の体験が、古墳シンガーへの転機となった。

 有名な観光地を回り尽くし、ふと「教科書に載っていたな」と仁徳天皇陵に行こうと思い立った。だが古墳があまりに巨大過ぎ、イメージした形は見ることができなかった。「観光地って普通、行けばそれなりに満足させてもらえる。それがゼロだった。衝撃でした」。規制があり中には入れず、1時間かけて一周しても歩道橋に上っても、普通の森にしか見えない。「帰りのJR阪和線に揺られながら“こんなに近くにいるのにあなたに会えない”というフレーズが降りてきた」。それが最初にできた曲「麗しの仁徳陵」だった。

 《仁徳天皇陵は大スター》百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産登録で、約1500年の時を経て「新古墳時代」が訪れようとしている。まりこふんは「やっとこの時が来たか」と喜びをかみしめた。改元で皇室への関心が高まった機運もあり、一報が入った5月14日は祝杯を挙げる間もなく電話や取材の申し込みが殺到。「祝賀イベントをやりたい。外国の方に知ってもらいたいし、海外のライブで“KOFUN”と叫びたい」と夢が膨らむ。

 仁徳天皇陵では依然、多くの人が自身と同じ「見えない」壁にぶつかる可能性がある。だが「古墳界の大スター、マイケル・ジャクソンなんだから、そう簡単に会えると思うなよと言いたい」と熱弁。「登れたり全景が分かる古墳も多い。それらを見てから仁徳陵を見れば、凄さがよく分かる」と力説した。

 軽飛行機に乗り、空から初めて全景を見た時の感動を歌った「仁徳陵に逢いたくて」の歌詞は「仁徳陵を残してくれた 全ての人ありがとう 世界へはばたけ仁徳陵」と締めくくられる。25年には大阪万博が開催され、多くの外国人が大阪を訪れる。まりこふんの夢が、現実のものとなる日が近づいている。

 《著名人も多く》著名人にも古墳ファンは多い。コーフン協会会員のギタリスト、ウルフルケイスケ(54)はまりこふんとライブやCDで共演。「地方に行かれた時、古墳にも行ったよと写真を送ってくれます」。漫画家「ゆでたまご」の嶋田隆司氏(58)は、代表作「キン肉マン」で仁徳天皇陵を描いた縁で、まりこふんと古墳イベントで共演した。タモリ(73)も自身のNHK番組「ブラタモリ」で古墳好きな一面を見せている。

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