自民“失言防止マニュアル”配布が波紋、嘆きの声相次ぐ

[ 2019年5月16日 05:30 ]

 失言、暴言で政治家が舌禍事件を引き起こす中、自民党が参院選候補者らに配布した“失言防止マニュアル”が波紋を呼んでいる。夏の参院選を前に引き締めを図る狙いがあるが、永田町からは「わざわざマニュアル化することなのか。恥ずかしい」と嘆く声が相次いだ。

 A4判のマニュアルは電子データで送付。冒頭に「“失言”や“誤解”を防ぐには」と太字で書かれており、続く文章には「発言は確実に一部が切り取られる」「目の前の記者を邪険に扱わない」「親しい記者の取材も注意が必要」などの記述が並ぶ。

 「タイトルに使われやすい“強めのワード”に注意」の項では、「プライベートな会合であっても、近くで取材されている可能性がある。また、誰もがスマートフォンで写真や映像を発信できることを意識する」と呼び掛けている。

 注意事項だけでなく、対策法についても3つ記載。「身内の会合や酒席で盛り上がるような“トークテーマ”には要注意」「“弱者”や“被害者”が存在するテーマには、表現にブレーキをかけるように」とするなど、東日本大震災を巡り「復興より同僚議員が大事」と失言し、事実上更迭された桜田義孝前五輪相を連想させるような記述もあった。

 マニュアル配布について野党関係者は「政治家は言葉が命だが、有権者に好感を持ってもらおうと、面白話で気を引こうとする傾向がある。こちらとしても気をつけないと」。自民党関係者は「政治家の言葉が軽くなっている証拠」と吐き捨てた。これまで新人教育は派閥単位で行ってきたが、大量当選組や無派閥議員の増加が影響し「追いついていない」との現状があらわになった形だ。

 12年前の亥(い)年は相次ぐ閣僚による失言が発端となり、参院選で歴史的大敗を喫し、安倍晋三首相が辞任する事態に追い込まれた。同じ轍(てつ)は踏まないとの苦肉の策だが、かえって幼稚な印象を与える結果となってしまっている。

続きを表示

「令和元年」特集記事

「大坂なおみ」特集記事

2019年5月16日のニュース