当初10月の意向がなぜ5月4日に…令和初の一般参賀 夏の参院選にらみ官邸主導で日程前倒し?

[ 2019年5月5日 05:30 ]

 天皇陛下の即位を祝う令和最初の一般参賀が4日、皇居・宮殿であり、平成への代替わり時を約3万人上回る14万1130人が訪れた。皇后さまと並び、初めて長和殿ベランダの中央に立たれた天皇陛下は「皆さんからお祝いいただき、感謝いたします」とあいさつ。初夏の暑さの中、長時間並んだ参賀者を気遣う言葉もあった。

 即位後初めて国民の前に公式に姿を見せたモーニング姿の天皇陛下は笑顔で手を振り、祝意に応えられた。「皆さんからお祝いいただくことを、うれしく思い、深く感謝いたします」と謝意を示し「我が国が諸外国と手を携えて世界の平和を求めつつ、一層の発展を遂げることを、心から願っております」と結んだ。

 人々からは一斉に日の丸の旗が振られ「天皇陛下万歳」と歓声が上がり、東庭は祝賀ムードに包まれた。全ての公務を退いた上皇ご夫妻は参加せず、令和の代替わりを強く印象付けた。

 参賀は午前10時から午後3時までの計6回で、14万1130人が皇居を訪れた。昭和天皇の喪中とあり、即位翌年の1990年11月になった平成最初の参賀10万9800人を上回る人出。今年1月、平成最後の参賀で記録した過去最多の15万4800人に迫った。

 開門前から約5万人が集まり、入場が予定より20分早められ9時10分に。午後1時30分には締め切られた。東京駅では「これから並んでも入れない可能性があります」とのアナウンスも流れた。

 汗ばむ陽気で、東京都心の最高気温は6月上旬並みの24・8度と上昇。皇宮警察などによると、熱中症などで手当てを受けた人は121人に上り、28人が救急搬送された。陛下は午後2時のあいさつから「このように暑い中、来ていただいたことに深く感謝します」と、長時間列に並んだ参賀者を気遣う言葉を新たに盛り込んだ。  

 滞りなく終わった参賀の裏では、官邸主導で日程を前倒しにする動きもあった。宮内庁は当初、10月22日に催される代替わりの儀式「即位礼正殿の儀」の数日後の実施を検討したが、2月ごろに首相官邸サイドが突然方針転換し、国民が参加しやすい10連休中の開催を主張。スケジュール調整の難航が予想されたことから宮内庁側は抵抗したものの、官邸は「“いいからやれ”の一言。聞く耳持たずという感じだった」(宮内庁関係者)と強引に押し切ったという。

 政府高官は「即位後できるだけ早く国民の前に出た方がいい。それだけの判断だ」と意図的介入を否定したが、宮内庁幹部は「全ては夏の参院選だろう。代替わりを成功させたという印象を植え付けたいのが官邸の本音」とこぼす。したたかな官邸の戦略に、皇室の“政治利用”との批判の声も上がりそうだ。

 ▽一般参賀 天皇陛下や皇族が皇居・宮殿の長和殿に並び、国民から祝意を受ける皇室行事。通常は新年1月2日と天皇誕生日に行われる。1948年に記帳だけの形で始まり、51年から昭和天皇と香淳皇后が参賀に応じた。昭和天皇崩御前の89年1月は記帳だけで、平成の最初は喪が明け、即位礼が終わった90年11月に実施された。

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