家裁内で殺人 離婚調停の妻待ち伏せ刃物で首刺す 米国籍の夫逮捕

[ 2019年3月21日 05:30 ]

ブルーシートで覆われる家庭裁判所の入り口(撮影・岸 良祐)
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 東京・霞が関にある東京家裁の1階玄関付近で20日午後3時20分ごろ、家裁を訪れたウィルソン香子さん(31)=埼玉県所沢市=が、別居中の夫で職業不詳の米国籍の男(32)に刃物で首を刺され、搬送先の病院で死亡した。男は逃走を試みたが、丸の内署員が確保し殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。警視庁は容疑を殺人に切り替え、刑事責任能力の有無を調べる。

 警視庁本部に近く、警備が厳重な白昼の官庁街を悪夢が襲った。警視庁によると、男は折りたたみ式のナイフを3本所持。リュックからはガソリンのような液体入りのペットボトルが複数見つかった。両手首に自ら切ったとみられる傷があり、男は治療のため釈放され、入院した。

 女性は日本人で、午後3時半からの離婚調停に出るため東京家裁を訪れた。東京家裁は2013年から、入り口で金属探知機による手荷物検査を実施している。男は調停に出席予定ではなかったが、手荷物検査場の手前にあるベンチに座り、女性の姿を見て襲い掛かったという。待ち伏せしていたとみられる。

 仕事で家裁の近くを通り掛かった男性会社員(46)は「ナイフを持っているぞ!!」と叫び声が響くのを聞き、周りを見ると刃物を手にした男が走っていたという。別の目撃者によると、男は2、3人の警備員の制止を振り切り、赤信号を無視して車にぶつかりそうになりながら、通りの反対側にある日比谷公園へ逃げた。

 最後は家裁から数百メートル離れた公園内で、警官とにらみ合う格好になり取り押さえられた。男が逃げた際についたとみられる血痕が、家裁近くの入り口から公園内南側の日比谷公会堂近くまで続いていた。

 女性は昨年8月「夫が精神的に不安定だ」と警視庁に相談していた。ドメスティックバイオレンス(DV)やストーカー行為を含む内容はなかったという。

 ▽裁判所と刃物 東京家裁や東京地裁の庁舎では、入り口での金属探知機による手荷物検査が常時行われている。東京地裁では、1995年のオウム真理教事件の頃から導入されている。全国の裁判所では、それほど普及していなかったが、2017年に大阪地裁での裁判員裁判に被告が包丁を持ち込んだり、仙台地裁で判決言い渡し後に被告が傍聴人や警察官を切りつけようとした事件が発生。最高裁は手荷物検査を積極的に取り入れるように全国の地裁と高裁に通知し金属探知機の導入が広まっている。

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