浪江の思いアニメで伝承 消防団員の苦悩や葛藤描く「無念」

[ 2019年3月12日 05:30 ]

アニメ映画「浪江消防団物語『無念』」の一幕
Photo By 提供写真

 震災直後に福島県浪江町で救助活動を行った地元消防団員を題材にしたアニメ映画の上映を求める声が全国で広がりつつある。16年3月に完成した「浪江町消防団物語『無念』」。津波で被害を受けた浪江町の請戸漁港で、原発事故に伴う全町避難により救える命を救うことができなかった団員の苦悩を描く。

 上映会を通じて評判が口コミで広がり各地の消防団やNPO団体から申し込みが殺到。500カ所以上で上映し海外ではフランスのパリなどにも招待された。

 浪江町民でつくる「浪江まち物語つたえ隊」が広島市市民グループ「まち物語制作委員会」の協力を得て完成させた。「浪江…」の小沢是寛会長(73、写真)は、震災の記憶を風化させないために「アニメという形に残すことで若い方に引き継いで伝承していってほしい」と望んでいる。

 約55分の作品で、がれきの下に被災者がいるにもかかわらず二次災害の危険性のため捜索を断念する場面や、復興キャンペーン会場で浪江町の商品の安全性が疑われて廃棄されるシーンも描かれる。風評被害に小沢さんは「福島産というだけで手に取ってもらえないのが残念」と悔しさを口にする。現在は相馬市で暮らしており浪江町には戻れていない。「映画のような悲しみや悔しさを誰にも味わってほしくない」。小沢さんは今日も上映会場に向かう。

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