はやぶさ2 小惑星りゅうぐうに着陸、支えた“下町ロケット”の精度

[ 2019年2月23日 05:30 ]

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は22日、探査機はやぶさ2が午前7時半ごろに小惑星りゅうぐうへの着陸に成功したと発表した。岩石を砕いて採取した試料を地球に持ち帰り、太陽系誕生の謎の解明を目指す。探査機の降下誘導の精度は極めて高いレベルで、米航空宇宙局(NASA)から「教えてほしい」の声まであがった。世界に注目されたこの遠隔操作には、町工場の製品が貢献していた。

 2005年に小惑星イトカワに着陸した初代に続く快挙だ。着陸直後に上昇する際に地表を撮った画像には、エンジン噴射で付いたとみられる黒い跡、砂のようなモヤが写っていた。縦1・25メートル、横1メートル、奥行き1・6メートルの探査機に内蔵された容器に無事、試料が入った可能性が高い。6月までに、さらに最大2回の着陸を目指す。試料は20年に地球に持ち帰る計画だ。

 今回の着陸では「ピンポイントタッチダウン」と呼ばれる降下法がとられた。探査機は上空20キロで降下を始め、同5キロで減速。残り45メートルで事前に地表に落としていた目印「ターゲットマーカー」を目標に着地した。

 当初は100メートル四方の平たん地を目指したが、りゅうぐうのデコボコした地形から目標を半径3メートル内に変更せざるを得なくなった。はやぶさ2チームの津田雄一准教授は「上空20キロから甲子園球場に着陸しようと思っていたら、マウンドに降りろと変更になった」とミッションの難しさを語った。高度な誘導にNASAから「後で教えてほしい」の声。そこには従業員40人ほどの町工場の技術が大きく貢献していた。

 真っ暗闇の中、ターゲットマーカーを強烈な光で照らす探査機のフラッシュライトは神奈川県海老名市「ミヤタエレバム」の製品。カメラのフラッシュや医療機器用ランプの製造メーカーで、ライトは初代はやぶさに続いて採用された。

 宮田智幸取締役(48)は「真空の宇宙で、通常製品は点灯しない。試行錯誤を繰り返し、完成に1年半かかった」と話した。フラッシュライトは手作業で作られたもので、熟練職人がガラス管に息を吹き込みながら、ガスバーナーで熱して加工した。

 着陸成功の一報に宮田さんは「宇宙だろうが何だろうが、間違いのない物を作っている。込めた思いは同じ」と言いつつ「ガラスだから衝撃で割れてないか不安だった」と胸をなで下ろした。“町工場のあかり”が、世界が驚くミッションの足元を照らした。

 ≪初代は奇跡の帰還≫初代「はやぶさ」は2003年5月に打ち上げられた。交信が途絶したり、電源供給が失われたりとトラブルに見舞われながらも奇跡的に復旧を遂げ、予定から3年遅れた10年に小惑星「イトカワ」から試料を持ち帰るミッションを成功させた。11年には竹内結子(38)主演の「はやぶさ/HAYABUSA」、12年には渡辺謙(59)主演の「はやぶさ 遥かなる帰還」と映画も続々公開されブームを巻き起こした。

 【はやぶさ2の経過】
 14・12・3 はやぶさ2を鹿児島から打ち上げ
 15・10 小惑星の名前を「りゅうぐう」に決定
 18・2 りゅうぐうの初撮影に成功
 6・27 りゅうぐうに到着
 9・21〜22 りゅうぐうに小型探査ロボットを放出、着陸を確認
 10・3 欧州の小型着陸機「マスコット」を放出、着陸を確認
 10・11 着陸延期を表明
 19・2・22 りゅうぐうへ着陸

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