「巨人、大鵬、卵焼き」もこの人… 根幹に「世間に分かりやすく」

[ 2019年2月11日 05:30 ]

堺屋太一さん死去

96年8月、尾崎魔弓、ターザン山本氏(右)らと女子プロレスへの思いを語る堺屋太一さん
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 堺屋さんは作家、閣僚にとどまらずマルチな活躍を見せた。根幹となったのは、官僚時代に培った、確かな行政統計に基づく先見の明と、それを世間に分かりやすく広めたいという思いだった。

 60年代初頭、当時の子供が好きなものの代名詞として流行語になった「巨人、大鵬、卵焼き」は堺屋さんが生みの親。官僚時代、記者に分かりやすい表現で高度経済成長を表現した言葉が基になったものだった。

 才能は作家としても開花。75年のデビュー小説「油断!」はその後の原油の輸入依存を言い当てた。98年に新聞連載された「平成三十年」で記された、少子化や晩婚化、消費税アップなどは、実際に平成30年の日本が直面する数々の問題を的確に“予言”したと改めて話題だ。

 「団塊の世代」を連載した月刊誌「現代」で当時副編集長だった豊田利男さんによると「未来予測で一番確かなことは何ですか」という質問に、堺屋さんが「人口予測ですよ」と回答したことが、誕生のきっかけ。豊田さんが「じゃあ僕らベビーブーム世代を題材に書いてくれませんか」と頼むと、二つ返事で話が進んだという。

 独自の視点は、経済分析以外にも生きた。85年の「豊臣秀長 ある補佐役の生涯」ではそれまでにない、豊臣秀吉の弟の視点から戦国時代を描き、96年のNHK大河ドラマ「秀吉」の原作となった。

 女子プロレスをこよなく愛し、多忙の合間を縫って、月に何度もリングサイドで観戦していた。常に興味を追い求め、閉塞感とは無縁の生き方を貫いた。

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