市原悦子さんも選んだ…自然に返る「樹木葬」 新たな「眠り」の形

[ 2019年2月4日 05:30 ]

「ローズガーデン」と手向けられた花々                            
Photo By スポニチ

 【イマドキの気になる現場】先月12日に亡くなった女優市原悦子さん(享年82)は生前、樹木葬を望んでいた。遺骨を墓に埋葬せず、木の下に埋めて自然に戻すもの。市原さんは2014年に他界した、夫で舞台演出家の塩見哲さんとともに関東近郊の山で2人寄り添って眠る。広く親しまれた女優が選んだこともあり、樹木葬に注目が集まっている。都内最大級の樹木葬墓地を持つ霊園を訪ねた。 (鈴木 悠太)

) 京王相模原線若葉台駅からバスで約6分、「町田いずみ浄苑(じょうえん)」は町田市の小高い丘にある。東京都と神奈川県の境に位置し、東京ドーム1つ分ほどの敷地からは、天気がいい日は横浜・みなとみらいの「ランドマークタワー」が望める。宗教、宗派を問わない公園墓地として1989年に開苑。05年、墓石以外での埋葬を望む人に応えるため、大島を除く東京都で初の樹木葬墓地「en21」が造られた。現在12種類の樹木葬墓地がある。

 樹木葬は墓石を建てるのではなく、樹木をシンボルとする墓のこと。骨つぼを使わず遺骨を埋葬することで、自然に返りたいという願いをかなえる自然葬の一つだ。

 同苑副社長の白木勇一さん(60)は「当時、樹木葬は一般的に知られていなくて“自然に返りたい”という強い思いを持ったごく一部の人が求めるもの」と考えていたという。それでも募集を始めると、250ほどの販売区画がすぐに完売。「樹木葬を選びたい人が潜在的にいるのではないか」と樹木葬エリアを徐々に増やしていった。

 同苑での埋葬方法は2通り。一つは手で直接穴を掘り遺骨を土に埋葬する方法。ケイ砂という奇麗な砂を入れ、遺骨の隙間をきちんと埋めたあと土を戻す。穴を開けるときに芝を奇麗に切り取り、最後にふたのように置くと芝が再生する。手で直接掘るため1、2人用。もう一つは遺骨を布袋に入れ、事前に作られた空間に埋葬する方法。布袋自体も自然に返る素材で作られた袋を使う。亡くなった順に納められ、一番下の遺骨から順番に土に返るようになっている。こちらは4〜6人用。どちらも穴は縦横25センチ、深さ90センチほど。

 現在販売されている「桜の里」はソメイヨシノやシダレザクラなど100本近くの桜やケヤキ、モミジなどが植えられ、四季折々の変化が楽しめる。1人から最大6人まで入れる区画を用意。公園のようなデザインで、一般墓地エリアの墓石が見えない設計になっており、自然の中で眠れるという印象だ。白木さんは墓地自体が「今後植えられた木々が何十年もかけて成長し森のようになっていく」と話す。

 ○…「桜の里」の使用料は管理費込みで1、2人用区画が50万円から、1〜4人用区画が70万円から、1〜6人用区画が90万円からとなっている。白木さんによると、同苑の利用を考えている人からの問い合わせは「8割が樹木葬関連」という。ペットとともに納骨したいという要望もあり、一緒に眠れる区画も用意されている。

続きを表示

この記事のフォト

「大坂なおみ」特集記事

「日本代表」特集記事

2019年2月4日のニュース