頬こけ白髪交じり…ゴーン容疑者出廷“日産愛”で無実主張

[ 2019年1月9日 05:30 ]

東京地裁を出るゴーン容疑者を乗せたとみられる車両(撮影・西海健太郎)※ナンバープレート部分を画像加工
Photo By スポニチ

 私的な投資の損失を日産自動車に付け替えたなどとして会社法違反(特別背任)の疑いで再逮捕された前会長カルロス・ゴーン容疑者(64)の勾留理由開示手続きが8日、東京地裁で行われた。昨年11月19日に金融商品取引法違反容疑で逮捕されてから50日で初めて公の場に現れたゴーン容疑者。頬がこけ白髪交じりで、自己の正当性を訴えた。

 かつてのカリスマ経営者は、衝撃的な姿で法廷に現れた。ゴーン容疑者は職員2人に付き添われ、手錠と腰縄をつけた状態で東京地裁425号法廷に入廷。神妙な様子で被疑者席に座る前、傍聴席最前列にフランスとレバノンの駐日大使を見つけると軽く会釈した。

 黒めのスーツに白いシャツ、ノーネクタイでスリッパを履いていた。トレードマークの太い眉や威圧感のある下がった口角はそのままながら、勾留生活の影響か頬はこけ、白髪も目立った。着席中は落ち着きがなく、手で顔をいじったり、法廷内をキョロキョロと見回すなどしていた。

 勾留理由開示は英語の通訳付き。口調を強めたのは、約10分間の意見陳述。毅然(きぜん)と「I am innocent(私は無実だ)」と断言。「容疑はいわれのないもの」「日産には損害を与えていない」「不当に勾留されている」と主張を重ねた。

 情に訴えるような場面もあった。「人生の20年を日産の復活にささげ、公明正大かつ合法的に業務を推進してきた。日産での成果は、家族の次に大きな人生の喜びだった」。経営再建中に米フォードやGMなど自動車大手4社から好条件で勧誘されながら「日産を見放すわけにはいかない」と断ったとした。

 米ドル建てで希望した日産での報酬が日本円でしか認められず、為替変動への不安から銀行とスワップ取引(外国為替取引の一種)を契約。2008年のリーマン・ショックを受けて銀行から担保を要求され、契約者を日産に変更した。「日産を辞めて退職金を充てる方法もあったが、嵐の中で船長が船から逃げることはできない」と、あえて日産に残ったとした。

 東京地検特捜部は、11日の特別背任容疑の勾留期限に向けて詰めの捜査を進めている。弁護側は閉廷後、勾留の取り消しを東京地裁に請求。11日に起訴された場合は、過少記載事件と合わせて保釈請求すると明かした。

 元東京地検検事の大沢孝征弁護士は「勾留理由開示で無罪を訴えても捜査に影響はない。むしろ対外的に主張する場として、昔から公安事件などで使われてきた」と指摘。この日の法廷はゴーン容疑者が依然役員を務めるルノーの母国、フランスをはじめ、海外からも注目された。コストカッターとして恐れられたゴーン容疑者は“日産愛”を前面に出して自身の正当性を世界にアピールした。

 ▽勾留理由開示 逮捕された容疑者や起訴された被告、弁護人らの請求に基づき、裁判所が勾留を認めた理由を明らかにする手続き。担当裁判官は捜査機関が集めた証拠に目を通した上で理由を説明。裁判官は勾留の是非までは判断しない。取り消すには改めて別の請求が必要。容疑者や弁護人、検察官らは1人10分以内で意見を述べることができる。司法統計によると2017年に全国の裁判所で474件実施(同年に出た勾留決定は10万4529件)。

続きを表示

「第97回全国高校サッカー選手権大会(2018-19年)」特集記事

「日本代表」特集記事

2019年1月9日のニュース