新時代競技「eスポーツ」 性別も障がいも関係ない 同じ土俵で真剣勝負

[ 2018年12月23日 05:30 ]

23日開幕する全国高校eスポーツ選手権に臨むNPO法人「知的障がい者サッカー推進連盟」の(左から)板垣英志、伊藤浩志、濱田帝各選手(撮影・安田健二)
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 【激動2018 政治社会(6)】対戦型コンピューターゲームを競技としてとらえた「eスポーツ」が今年、市場、競技人口ともに急成長し、新語・流行語大賞トップテン入りを果たした。そんな中、きょう23日に初開催される「第1回全国高校eスポーツ選手権」に注目のチームが出場する。「全員同じ高校の生徒」というルールを超えて、特例で出場が認められたNPO法人「知的障がい者サッカー推進連盟」(神奈川)だ。

 チーム3人のうち、横浜市の特別支援学校に通う伊藤浩志(16)、濱田帝(みかど=16)両選手は知的障がいを抱えている。普段の会話に問題はないものの、多くを一度に記憶すること、物との距離感や奥行きなどを把握することが得意ではない。サッカー仲間で横浜市の高校に通う健常者の板垣英志選手(17)が2人を支え、チーム力を強化してきた。

 大会は2部門ある。3人は3対3で車を操作して戦うサッカーゲーム「ロケットリーグ」部門に出場。全60チームによる一発勝負のトーナメントで、23日の初戦は名古屋工学院(愛知)と激突する。オンライン対戦のため互いに顔を合わせることはない。性別も障がいも関係なく、試されるのは実力だけだ。

 主将でフォワードの伊藤選手が「同世代と勝負するので自分たちの方がうまいと思って戦う」と言えば、濱田選手も「目標は4強入り」と意欲十分。板垣選手は「勝負どころで声がけが甘いので意識したい」と気を引き締めている。

 チームがかみしめているのは同世代の高校生と真剣勝負できる喜び。特別支援学校には部活動が少なく、同法人の竹澤静江理事長(50)は「公式戦に出られないまま学生時代を過ごす子は多い」と説明。自身も知的障がいの子供を育てており「“もうひとつの”といった冠がついた大会は十分ある。子供や保護者が必要としているのは同世代との本当の勝負」と力を込めた。主催者側と協議し参加を実現させた同法人の杉崎智一さん(39)は、練習でゴールを決めて喜ぶ3人を見て「これが青春なのかな」と目を細めた。

 五輪、パラリンピックの両統括組織も競技種目として関心を寄せるeスポーツ。健常者と障がい者が同じ土俵で戦える新時代の競技としても、今大会は契機になりそうだ。

 《前年比13倍!! 市場規模48億円》 ゲーム雑誌ファミ通などを出版する「Gzブレイン」の調査で、今年の国内のeスポーツ市場規模は前年比13倍の約48億円に急成長した。今夏のジャカルタ・アジア大会で公開競技として実施され日本代表がサッカーゲームで金メダルを獲得。今月16日に開かれた世界大会では日本人プロ選手が国内最高賞金額100万ドル(約1億1000万円)を手にするなど日に日に注目が集まっている。

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