放心、証言台から動けず…48歳無職男に死刑判決 遺体の「ピンク歯」決め手 寝屋川中1男女殺害事件

[ 2018年12月20日 05:30 ]

 2015年8月に大阪府寝屋川市の中学1年生の男女を殺害したとして殺人罪に問われた無職山田浩二被告(48)に対する裁判員裁判の判決で、大阪地裁は19日、求刑通り死刑を言い渡した。極刑を宣言された山田被告は、放心したかのように証言台の席からしばらく動かず。最後は刑務官に引きずられるように法廷を後にした。

 「公判供述は、重要な点は虚偽」「身勝手で自己中心的」「強固な殺意があった」「類例を見ない悪質な犯行」――。弁護側の主張を次々と退ける、浅香竜太裁判長の言葉が法廷に響いた。山田被告は最初は神妙な表情で聞いていたものの、5分を過ぎると落ち着きをなくし、裁判長を見ようともしなかった。

 判決理由の朗読が約1時間半続いた後、裁判長から「被告人を死刑に処する」。極刑を言い渡され、放心したかのように証言台の席からしばらく動かなかった山田被告。刑務官に促され、やっとヨロヨロと立ち上がると、遺族のいるついたての奥に向かい何度も頭を下げ「申し訳…」と謝罪しようとしたが、刑務官に制された。

 裁判では星野凌斗さん=当時(12)=の死因と、被告の刑事責任能力の有無が争点となった。弁護側は平田奈津美さん=当時(13)=を頸部(けいぶ)圧迫で死亡させたことは間違いないが、殺意はなく、傷害致死罪にとどまると主張。星野さんについては、脱水症状などの体調不良で病死した疑いがあるとし、無罪を求めていた。

 見つかった星野さんの遺体は損傷が激しく、司法解剖でも死因は明らかにならなかった。公判では首を圧迫したことによる窒息死などの特徴とされる、歯がピンク色に変色する「ピンク歯(し)」が見られたことが法医学者の鑑定で判明。裁判長は「医師の話としてピンク歯の所見があったため、頸部圧迫による窒息死と認められる。被告が窒息死させたと考えられる」とし、弁護側の「熱中症などの体調不良による病死の疑い」を一蹴した。

 2人の殺害について「体格差がある被害者の急所である首を数分間、強い力で絞め続け、殺意があったことは明らか」と指摘し、いずれも頸部圧迫で窒息死させたと認定した。刑事責任能力の有無についても、判決は完全責任能力があったと認めた。犯行の計画性は見られないが、強制わいせつ罪などの前科と比べ犯罪傾向が深化し、更生は困難だとして、死刑の選択はやむを得ないと結論づけた。

 弁護側は「事実誤認は明らかだ」とし、控訴する方針を示した。

 ▽寝屋川中1男女殺害事件 15年8月12日、大阪府寝屋川市立中1年の平田奈津美さんと星野凌斗さんが外出し行方不明になり、同13日深夜、大阪府高槻市の駐車場で平田さんの遺体が見つかった。同21日には山田浩二被告が立ち寄った大阪府柏原市の山中で星野さんの遺体発見。同日、平田さんの死体遺棄容疑で被告が逮捕された。

 ▽ピンク歯 法医学用語で、人の死後に歯がピンク色になる現象。首を締められたり、溺死するなど頭部に血がたまった時によく見られる。歯の神経の血管に血がたまり、湿度が高い環境だと赤血球が溶血するためヘモグロビンの赤い色素が歯に付着してピンクに見える。

続きを表示

「第97回全国高校サッカー選手権大会(2018-19年)」特集記事

「日本代表」特集記事

2018年12月20日のニュース