会長職解任 ゴーン容疑者「日産のV字回復を成し遂げた後、変わった」

[ 2018年11月23日 05:30 ]

カルロス・ゴーン容疑者
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 日産自動車は22日、横浜市の本社で取締役会を開き、金融商品取引法違反容疑で逮捕されたカルロス・ゴーン容疑者(64)の代表取締役会長職を解任した。後任は西川広人社長が暫定的に兼務する方向だったが、選定を先送りした。ゴーン容疑者をよく知るジャーナリストは「V時回復を遂げた後から人が変わってしまった」と語った。

 衝撃の逮捕から3日。フランス大手ルノーから経営危機の日産に送り込まれた1999年以来、19年余にわたり剛腕を振るったゴーン容疑者を柱とする経営体制が終わりを告げた。4時間にわたって行われた取締役会は全会一致でゴーン容疑者の代表取締役会長職の解任を決議した。ゴーン容疑者が事実上、配分額を決めてきた役員報酬制度の見直しにも着手する。

 同時に逮捕された代表取締役グレゴリー・ケリー容疑者も解任。代表権を持つ役員は2人を取締役からも外すため、西川氏が主導して臨時株主総会を早期に開催する。

 また、この日、ゴーン容疑者がケリー容疑者にメールで虚偽記載を指示していた疑いがあることが関係者への取材で分かった。ケリー容疑者はさらに直属の部下2人に虚偽記載をするよう指示。東京地検特捜部は不正を裏付けるメールを押収。ゴーン容疑者が不正の発覚を免れるため、自らに近い存在の部下だけに関与させたとみて調べる。

 さらに、日産がゴーン容疑者の姉とアドバイザー業務の契約を結び、毎年約10万ドル(現在のレートで約1130万円)の報酬を支払っていたことも判明。業務に実態はなく、不正な経費の支出だった可能性がある。

 ゴーン容疑者を約20年取材してきた経済ジャーナリストの福田俊之氏は「日産のV字回復を成し遂げた後、変わった」と指摘。03年には財政を完全回復させていた。一方でかつては牛乳瓶の底のような分厚いメガネをかけていたが、近年おなじみになったのはメガネなしの姿。「レーシック手術をしたようだ。この頃から外見に気を使うようになっていった」と振り返った。

 16年には仏ベルサイユの大トリアノン宮殿で再婚パーティーを開催するなど、セレブぶりを発揮。「お金の使い方が派手になったと思っていた」と話した。また「彼は何でも1番じゃないと気がすまない人」とも感じていたという。

 ゴーン容疑者が過少申告によって蓄財した背景について、日産社内では、出身国であるブラジルの大統領選挙に出馬するのではないかという噂もあったという。

 ○…ゴーン容疑者の弁護人を、元東京地検特捜部長の大鶴基成弁護士(63)が務めることが分かった。部長在任時にはライブドア事件や村上ファンド事件、佐藤栄佐久・元福島県知事を起訴した談合・汚職事件などの捜査を指揮した。最高検検事時代には、自由党の小沢一郎共同代表の資金管理団体「陸山会」を巡る収支報告書虚偽記入事件の捜査に関わった。2011年8月に辞職して弁護士に転じ、プロ野球巨人の野球賭博問題を調査した日本野球機構調査委員会の委員長を務めている。

 ○… 日産の取締役会は9人で構成される。これまで「ゴーン派」とされたのはゴーン容疑者と側近のグレゴリー・ケリー容疑者、ルノー出身の外国人2人、2013年まで最高執行責任者(COO)を務めゴーン容疑者に長く仕えた志賀俊之氏を含め計5人で過半数を占めていた。ほかに生産担当の坂本秀行副社長、社外取締役としてともに今年就任したレーシングドライバーの井原慶子氏、元経済産業審議官で日本エネルギー経済研究所理事長の豊田正和氏がいる。

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