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さよなら築地 83年の歴史に幕 最高額はマグロ438万円

生鮮マグロ卸売場で目利きを行う仲卸業者(撮影・島崎忠彦)
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 「日本の台所」として親しまれてきた東京都中央区の築地市場が6日、営業最終日を迎え、1935年から始まった83年間の歴史に幕を下ろした。小池百合子東京都知事の判断により当初の予定より2年遅れとなった、移転先の豊洲市場(江東区)が11日から開業する。市場関係者の多くは、豊洲で事業を継続するが、別の道を探る人もいる。それぞれの思いを抱え“築地最後の日”を過ごした。

 未明から多くのトラックや、小型車両ターレなどが慌ただしく行き交い、活気にあふれた築地市場。午前5時すぎ、最後のマグロ競りの前には、手かぎを手にした業者らが、マグロ一本一本を厳しい目でチェックする姿が見られた。

 卸売業者を代表して「築地魚市場」の吉田猛社長が「築地は今日をもって83年間の活動を終え、歴史に刻まれることになる」とあいさつすると、場内は一本締めをし、最後の競りに臨んだ。

 この日は生マグロ146本、冷凍マグロ728本が並べられ、約162キロの青森県大間産マグロが438万5000円(1キロ当たり2万7000円)で競り落とされたのが最高額となった。

 3連休の初日。築地でマグロ仲卸業「鈴与」を営む生田與克(よしかつ)社長(56)は「普段の3倍以上の品物を扱うことになった。休む間もなく、10時間は動き通しだった。忙しい最終日になったよ」と充実の笑み。午前11時前には帳場に座り、この日の売り上げをチェックして仕事を切り上げた。

 「鈴与」は1923年(大12)創業で、祖父から数えて3代目。「18歳の時に、ここで働き初めて38年。離れるのは寂しいに決まってるだろ」としんみり。「今日は疲れた。豊洲への引っ越しは明日から始める」と、プラスチックの荷箱の上に座り込んだ。

 1935年(昭10)に開業し、衛生面の不安がささやかれてきた築地市場。豊洲では産地から消費者までの流通過程を、途切れることなく低温に保つ「コールドチェーン」を実現し、食の安全を確保できると期待されている。一方で、幹線道路に面した入り口が少なく、トラックなどの渋滞が起きるとの懸念も浮上。買い出し業者が購買物を一時保管する「買荷保管所」の使用料が約3倍にはね上がるなど、ランニングコスト増も不安視されている。

 水産仲卸「関富」の関戸富夫社長(69)は、豊洲市場に加えて、足立市場(足立区)との“ダブル市場”体制で仕入れに通うことを検討している。「豊洲は維持費がかさむが、足立は築地と同じくらいに抑えられる。いずれは足立一本で行こうと考えている」と明かした。

 都などによると、移転に伴って約530軒ある水産仲卸のうち、数十軒が廃業するとみられている。それでも多くの業者が、豊洲への移転を選んだ。「鈴与」の生田さんは「この仕事は世界一うまいものが集まる場所で、それを一番良い時期に食べることができる。そしてお客さんに薦めて喜んでもらえる仕事。辞める選択肢はない。新しい市場には期待を持って移りたい」と前を向いた。

[ 2018年10月7日 05:30 ]

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