【コラム】山内雄司

わかりづらいJリーグ仕組み 今年度で最後に チャンピオンシップトーナメント表は8パターン

[ 2015年10月23日 05:30 ]

 J1では残り3試合(10月21日時点)で広島と鹿島がステージ優勝争いをリードし、横浜、G大阪がこれを追っている。ただ、広島と鹿島は横浜とG大阪に6勝点差をつけており、現実的にはどちらかが優勝する可能性が高い。しかし、横浜は鹿島戦、広島はG大阪戦を残しており、奇跡の逆転優勝というドラマもあり得ないわけではない。24日、25日に行われる第15節で絞られてくるのか、それともさらに混戦となっていくのか。

 G大阪はAFCチャンピオンズリーグ準決勝第2戦(10月21日)の肉体的、精神的な疲労がどこまで影響するかが大きなカギとなる。さらには鹿島とのヤマザキナビスコカップ決勝も控えており、11月には天皇杯4回戦にも登場。長谷川監督はメンバー構成に頭を悩ませながら、苦しい日々を送っている。その過酷な挑戦には頭が下がるばかりだ。

 さて、大いに盛り上がって然るべき状況ではあるが、やはりと言うべきか、ステージ優勝争いをどこか釈然としない思いで見つめている自分もいる。

 優勝と名のつく栄誉を賭けて気力を振り絞って選手たちは戦っているが、一方で年間勝点表にこそ目をこらさなければならない。チャンピオンシップはいったいどういう組み合わせになるのか、あらこれ当てはめているほどに、ステージ優勝の価値がどんどん霞んでいく。

 この時期になってよく聞かれ、驚かれる。「えっ、優勝したクラブ同士が戦うんじゃないの?」「じゃ、どことどこがやるの?」「年間勝点ってどういうこと?優勝とどっちが上?」

 サッカーはどちらかと言えば好きだし、代表戦には注目しているが、恒常的にJリーグの観戦には行っていない、あるいは特定のクラブのファンやサポーターではない人たち。そうしたいわば大多数の人たちは、いまだにチャンピオンシップの仕組みを理解できていない。でも、彼らに「もっと分かってよ」と言う気にはとてもじゃないがならない。そうだよな、無理ないよな、と思うばかりだ。なんたって、こちらも説明が難しく、面倒くさく、そして説明しているうちに情けなくなっていく。

 ぜひともJリーグの公式HPを見て頂きたい。チャンピオンシップのページへいくと、『狭きを通り、高みへ。』というキャッチコピーとともに、その節終了時毎の結果に応じて対戦を当てはめたトーナメント表が掲載されている。丁寧に『毎節変わる!』と謳ってもいるが、毎節変わるものをどうして覚えられようか。

 「トーナメント表パターン」という文字をクリックすると、実に8パターンものトーナメント表が現れる。悔しいがこのページをプリントアウトしないことには、みんなにうまく説明ができない。「勝手に狭くしといて、狭きを通りじゃねえよ!」と悪態をつきたくなる。

 Jリーグを愛し、その成長を支えてきたサポーターの多くが反対する中、議論や説明責任を十分と言えるまでに果たさないまま強行開催したこの制度は、どうカッコいいキャッチを用いたとしても受け入れられないだろう。

 ホーム&アウェーで戦い、最後にてっぺんに立ったクラブが最高の栄誉を得る。それが万人に理解され、納得され、愛されるリーグの姿である。最後にてっぺんに立った者がチャンピオンとして尊敬を集める。決して8パターンのトーナメント表をすらすらと説明できる者が尊敬を集めるようなリーグにしてはいけないと改めて強く思う。

 ほとんど可能性は低くなってしまったが、浦和に第2ステージも制してもらいたかった。これは何も浦和を贔屓にしているから言っているのではない。両ステージ優勝を果たし、年間勝点1位となってなお、チャンピオンシップを戦うという愚かな行為(Jリーグが示すところのパターン5=愚の骨頂)を世間に知らしめて欲しかったからである。

 プリントアウトを持ち歩かなければ楽しめないような制度は今年度で最後にしよう。もう説明するのもうんざりだ。(山内雄司=スポーツライター)

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