【コラム】山内雄司

コートジボワール戦に向けて コンディション調整&洗い出しと綿密な対策

[ 2014年6月5日 05:30 ]

勝って兜の緒を締めろ!!練習前に、円陣を組みイレブンに話すザッケローニ監督
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 コスタリカ戦は先制された後に3点を奪って逆転勝ち。まず触れておかなければいけないのは、この結果を以て楽観も悲観もすべきでなないということ。良い面もあれば悪い面もあった。それが散見されたことを収穫として、チーム全体で共有する。選手個々では反省点を洗い出し、ミスをしたのならそれを繰り返さないように意識する。今から足が速くなるわけでも、技術が進歩するわけでもない。背が伸びるわけでも、身体が強くなるわけでもない。だが、突き詰めることはできる。あとはこれまでやってきたことに自信を持ち、本大会で最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、コンディション調整に万全を期すればよい。

 この日は1トップに大迫、右に大久保をスタメン起用したが、このテストは実り多きものとなった。大久保本人は初めてのポジションに不安を感じていたようだが、選出時から指揮官の頭の中ではサイドでの起用もあったはずで、実際にこのチームにおいてどのように機能するか、岡崎と並び立つチャンスメイカー、ゴールハンターとなれるかが焦点だったが、彼の持つ迫力そのままにプレーし、まるで違和感は感じさせなかった。際だったのはポジショニングの良さと力強さ。運動の質量ともに高く、コスタリカDFの脅威となっていた。後半のコスタリカの失速に一役買ったと言える。

 大迫のプレーには、個人的に強い印象を受けた。絶えずDFラインを見極め、ギリギリのタイミングで駆け引きしていた。11分に右クロスをヘッド。惜しくもバーを越えたが、DFの背後に消えてから前に飛び出した動きは、基本とはいえ点取り屋の資質の高さを示した。コンマ1秒早かったか、決めるべきシーンではあったが……。23分には一度オンサイドに戻ってから絶妙の抜け出しでパスを受け素早くシュート。オフサイドと判定されたが、一瞬の世界で勝負できる頼もしさを感じた。これら以外でも精度の高いポストプレーでチャンスを演出した。交代した柿谷に“持っていかれた”形となったが、状況としては柿谷のほうがやりやすかったはず。それだけに何としてもゴールが欲しかっただろうが、起用に関してザッケローニ監督をさらに悩ますアピールになったのではないか。

 香川がキレのある動きを見せ、岡崎もさすがの活躍。山口、青山も目処は立った。攻撃面ではどうしても本田の復調が気がかりだが、これも心配しても始まらない。あと10日ある。これを経てコンディションが上がらなければ決断しなければならない事態を迎える可能性もあるが、香川がいつもより中央への意識を垣間見せるなど、慌てずに対処できていた。本田のチームであるのは紛れもないが、もはや決して本田に頼りきったチームではない。エースの復調を信じて、ことさら不安がらずにいたい。

 しかしながら、守備ではいささか不安な要素があった。失点に関して内田は「食いついちゃった」と反省しているが、抜け出された後の中の対応のほうが心配だ。クロスへの対応は今に始まった課題ではないが、やはりマークが甘すぎる。今野が初めてSBを務めた影響もあっただろうし、本番ではここは長友で鉄板だが、それでもまずクロスを上げさせないためにどう連係するのか、抜け出されたら誰がどう戻り、中はどのようにマークするのか。前述したように、今さら身体的、技術的に向上するわけではないだけに、GKを含めて今一度、二度、三度とシミュレーションしておく必要がある。

 第一にコンディション、第二に洗い出しと綿密な対策。あと10日を有意義に過ごして欲しい。大舞台で全てを尽くすために。(山内雄司=スポーツライター)

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