【コラム】山内雄司

ブラジルへの切符をヨルダン戦で得ること

[ 2013年3月22日 06:00 ]

長谷部(左)と話すザッケローニ監督
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 5大会連続のワールドカップ出場を決めるべく、26日のヨルダン戦に挑む日本代表だが、本田圭佑、長友佑都を負傷等で欠く。後者の代役はおそらく酒井高徳、駒野友一のいずれかとなるだろうが、前者の代役についてザッケローニ監督は「2列目の左右の構成が影響する。それを踏まえて決める。コンディションも考慮しなければならない」と語っている。

 22日に行なわれるカナダ戦で多くの選手をピッチに送り出して選手の状態を確かめ、最終的にスターティングメンバーを決することになるわけだが、コンディションに問題がなければ、おそらくトップ下は中村憲剛になるのではないか、と予想する。勝てば無条件でブラジル行きとはいえアウェーということもあり、まずはチームバランスを重視し、より中盤でバランスの取れる中村をチョイスする気がする。その際、左右は清武弘嗣、岡崎慎司として、勝負所で香川真司を投入するのか。それとも香川を初めから中村と共存させるという手もある。いずれにせよ、ヨルダンを甘く見ることは慎まなければならないが、本田や長友の不在が決定的に試合を困難にすることはなかろう。それほど日本のMF、SBは充実している。きっちりとヨルダンを下して、いち早く本大会への強化へとスライドさせたい。

 ザッケローニ監督の頭の中では、8から9割方はブラジルに連れていくメンバーも定まっていると思われる。だからこそ、残る2割1割に世界を戦ううえでの新たな武器が欲しい。ヨルダン戦の後、代表は2か月のブランクとなる。本大会出場を決していれば、その間はスカウティングに費やすことが出来るが、ここで逃すと6月までずれ込む。そうなるとザッケローニ監督のこと、8割9割のメンバーでコンフェデレーションズカップに臨むことになると予想される。7月の東アジアカップで新たな発掘が成されるかもしれないが、早い段階で残りのピースを試しておけるなら、それに越したことはない。

 というのも、これまでもコラムで記している通り、メンバーの固定化がもたらす不安を払拭し切れないからだ。無論、固定化することによって戦術の理解は進み、チームとしての骨格はさらに強固なものとなる。だが、レギュラーとサブの格差、新戦力のスムーズな融合という点では後れを取る可能性がある。組み合わせを考慮する余裕のある前線に比べ、遠藤保仁、長谷部誠のダブルボランチ、今野泰幸、吉田麻也のCBコンビにアクシデントがあった際のバックアップが不足している。1トップにしても、前田遼一というチョイス以外はオプションの域を脱していない。佐藤寿人、原口元気、大迫勇也、豊田陽平、赤嶺真吾、工藤壮人、田中順也、李忠成、興梠慎三、柿谷曜一朗、永井謙佑などなど、今後の活躍次第ではテストされてもいい人材は少なくない。

 残る椅子を巡る競争を熾烈化させることは、さらなるレベルアップに対してデメリットになるとは思えない。海外組偏重とも受け取れるザッケローニ監督だが、ブラジルへの切符をヨルダン戦で得ることで、指揮官の目を代表入り、あるいは定着を虎視眈々とうかがう選手たちへもっと向けさせる時間を設けられる。

 目標は本大会に出場することではない。世界と伍して戦うための準備期間は長いほうがいい。ヨルダン戦の勝利と、その後のザッケローニ監督の動きをさらに注視していきたい。(山内雄司=スポーツライター)

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