【コラム】戸塚啓

監督交代 Jリーグに新しい風を

[ 2016年7月28日 05:30 ]

成績不振により解任されたFC東京の城福監督
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 J1、J2で監督交代が相次いだ。J1のFC東京、J2のジェフ千葉とFC岐阜が、指揮官交代に踏み切った。

 それぞれのクラブごとに目標があり、最低限のノルマがある。そのどちらも達成が危ういと判断されるときに、クラブは体制を刷新するのだろう。

 ピッチで戦うのは選手であり、ピッチ上では選手自身の判断に基づいてプレーするのがサッカーだ。成績がふるわない責任のすべてが、監督にあるわけではないだろう。ただ、選手が判断を下す材料を練習から提供するか、選手が能力を発揮できる組み合わせを作り出す、といったことが監督に求められるのも事実だ。

 いずれにせよ、最終的な判断は結果で下される。目標とノルマからかけ離れている状況から抜け出すのに、監督交代は有効な手立てのひとつだ。

 3チームはコーチの内部昇格で足並みを揃えている。FC東京は篠田善之コーチが、ジェフ千葉は長谷部茂利コーチが、FC岐阜は吉田恵コーチが、新たに陣頭指揮を執ることになった。外部から人材を招くよりも、時間的なロスは少ない。

 篠田監督と長谷部監督は45歳で、吉田監督は43歳だ。指導者としては若い世代である。Jリーグのトップチームの指導歴も、古巣のアビスパ福岡を3年ほど率いた篠田監督の実績がもっとも長い。吉田監督はいずれもシーズン途中の就任で今回が2度目、長谷部監督は初めての監督就任だ。

 保有戦力を見ても、FC東京はJ1の中位に甘んじるチームではない。ジェフも戦力に不足はない。J1昇格プレーオフ圏内へ、素早く食い込みたいところだ。岐阜はJ2の下位から抜け出したい。

 監督のチーム作りや采配という意味で、プレミアリーグよりもブンデスリーガに惹かれる。プレミアリーグの多くのクラブは、実績と経験のある監督が指揮している。選手の質も高い。世界各国のスタークラスの選手が、どのクラブでも中核を担っている。

 ブンデスリーガは違う。バイエルンのようにビッグネームの監督を好むクラブがある一方で、まだ何かを成し遂げていない監督を抜擢するクラブもある。理論と情熱に満ちた次世代の監督たちが、自らの理想と保有戦力のバランスを取りながら、観る者の胸を躍らせるサッカーを展開している。

 すでに実績のある監督を、否定するつもりはない。ただ、色々なタイプの監督が出てくることで、リーグ全体の魅力が膨らんでいくはずだと考えている。違った価値観が提供される、と言えばいいだろうか。

 新監督はそれぞれに難しいタスクを背負うが、彼らには思い切って自分のカラーを出してほしい。Jリーグに新しい風を吹かせるような監督の登場は、いつだって待ち望まれるからだ。(戸塚啓=スポーツライター)

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