【コラム】戸塚啓

Jリーグ リオ五輪代表の躍進頼みで話題性に乏しい

[ 2016年7月7日 05:30 ]

広島からアーセナルへ完全移籍した浅野
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 浅野拓磨がアーセナルへ移籍する。第三者にとっても、魅力にあふれたチャレンジだ。難しいと言われる労働ビザの取得にこぎつけて、1年目からプレミアリーグで活躍してほしいものである。そのためにも、リオ五輪で結果を残してほしい。

 宇佐美貴史がブンデスリーガへ舞い戻った。第1ステージ限りでガンバ大阪を離れ、アウグスブルクの一員となった。インターナショナルなクラスの選手となっていくのか、彼のキャリアは重要な局面を迎えている。

 カイオがアルアインへ行く。中東各国のクラブは、Jリーグでプレーする外国籍選手、とりわけブラジル人アタッカー獲得に熱心だ。鹿島アントラーズの第1ステージ制覇に力を注いだ22歳は、今シーズンのACLでベスト8入りしているUAEの強豪に引き抜かれた。

 夏の移籍市場で、Jリーグへやってくる選手は? 見当たらない。
 
 ヨーロッパやアメリカのクラブと、マネーゲームをしろとは言わない。クラブの健全経営は、長い目で見ればサッカー界全体の利益となっていく。

 その一方で、話題性に乏しい現状に歯がゆさを覚える。

 J1リーグは先週末から第2ステージに突入したが、私の周りには「まだ第1ステージをやっているの?」とか、「第1と第2のステージ間に、インターバルはないの?」といった疑問が漂っていた。

 Jリーグにさほど興味のない友人たちの声で、シーズン終盤にチャンピオンシップがあり、クラブW杯も国内で開催されるからスケジュールが詰まっているのだと説明すると、彼らはひとまず納得した。ただ、「第1ステージの優勝が決まっても、あまり盛り上がらなかったね」とのひと言は胸に重く突き刺さった。
 
 2ステージ制の是非を、いまここで問うつもりはない。ただ、ステージごとに優勝争いがあることでライト層を取り込み、Jリーグの人気を回復基調へ持っていくという当初の目的は、本当に果たされているのだろうかと思ってしまう。
 
 スマートフォンでサッカー関連のニュースをチェックすると、すぐに目につくのはベスト4が出揃ったユーロの動向であり、ヨーロッパ各クラブの移籍情報だ。Jリーグのニュースは数こそ多いものの、見出しをクリックしたくなるものは限られている。

 2ステージ制のメリットには、夏の移籍市場と第2ステージの開幕時期が重なり、各クラブの補強がメディアで取り上げられることにもある。それによって、コアなファンだけでなくライト層も惹きつけることができる。

 浅野、宇佐美、カイオがいなくなったままで、彼らに負けない実力や知名度を持つ選手が加わらなかったら。リオ五輪代表の躍進頼みで話題性に乏しいまま、第2ステージは進行していく。(戸塚啓=スポーツライター)

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