【コラム】戸塚啓

結果が最優先 オプションを増やす準備を進める必要も

[ 2015年8月29日 05:30 ]

 来月行われるW杯予選の日本代表メンバーが、8月27日に発表された。

9月3日のカンボジア戦と8日のアフガニスタン戦は、どちらもW杯予選である。シンガポールとの第1戦で引き分けただけに、ここはきっちり連勝しなければならない。

それと同時に、「オプションを増やす準備」を進める必要がある。

ブラジルW杯でチームを率いたザックは、監督就任当初からメンバーを固定した。そもそもW杯南アフリカ大会のチームがベースとなっていただけに、すべてがゼロからのスタートではない。チーム作りのスタート地点は、むしろ高かった。

土台ができていただけでなく、メンバーを固定したことで、チームは早くから成熟していった。親善試合での価値ある勝利もあった。

その裏返しとして、競争の空気が薄れていった。イタリア人指揮官がスタメンをほとんど変えなかったデメリットで、W杯ブラジル大会でのザックは有効なオプションを持てなかった。スタメンを外れた選手たちから、湧き上がるような情熱を感じることはできなかった。

今回のメンバーには、先の東アジアカップに出場した選手が「13」人選ばれている。そのなかには、6月のW杯予選に先発したDF槙野(浦和)、MF柴崎(鹿島)、FW宇佐美(G大阪)、ベンチ入りしていたGK西川(浦和)、東口(G大阪)、DF森重(FC東京)、丹羽(G大阪)、MF山口(C大阪)、FW永井(名古屋)が含まれている。合計すると9人だ。東アジアカップで初めて代表に招集され、今回もまたメンバー入りした選手となると、六反(仙台)、米倉(G大阪)と遠藤(湘南)だけになる。

カンボジア戦、アフガニスタン戦は真剣勝負だ。新戦力発掘の機会ではない。フレッシュな印象が薄くなるのは当然だろう。東アジアカップで2得点をあげた武藤雄樹(浦和)が選ばれていないのも、選手のタイプを考えてのことだと推測できる。岡崎(レスター)以外にも1トップができる選手を、指揮官は手元に置いておきたかったに違いない。

3年後のロシアW杯出場を目ざしつつ、日本代表というグループの競争心を刺激していけるか。今回のように結果が最優先される機会でも、チームの底上げへつながる機会としていきたい。(戸塚啓=スポーツライター)

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