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なでしこ、ベスト8進出 経験が問われる戦い

<日本・オランダ>選手に指示を出す佐々木監督
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 なでしこジャパンがベスト8入りを果たした。日本時間の6月24日に行われた女子W杯の決勝トーナメント1回戦で、オランダを2―1で退けた。

 1次リーグの3試合は、すべて1点差ゲームだった。スイスとカメルーンが大勝したエクアドルからも、1点しか奪えなかった。チャンスは作るものの決めきれないとの印象を与えてきたが、オランダ戦は過去3試合よりひとつレベルを上げてきた。連動性のある攻撃から2ゴールを奪い、失点もGKのミスによるものだった。前半のうちに先制し、相手の反撃をしのぎ、追加点を奪う。最終的には2―1となったものの、試合展開は申し分ない。

 失点以外にも、ヒヤリとさせられる場面は作られた。それでも崩れないところに、このチームの強みがある。対戦相手との実力がさらに拮抗していく準々決勝以降を見据えると、爆発力よりも粘り強さのほうが頼りになる。接戦をきっちりとモノにしてきたここまでの戦いぶりは、決して悪いものではないはずだ。

 佐々木則夫監督の采配にも触れるべきだろう。

 今大会から出場チーム数が増えた。4年前は6試合目が決勝戦だったが、今回は7試合を戦い抜かなければならない。問われるのはチームの総力であり、誰が出てもクオリティを落とさないことだ。

 佐々木監督は1次リーグからスタメンを入れ替え、GKも3人すべてを起用してきた。オランダ戦では出場2試合目の岩渕真奈が、後半途中から試合の流れを変える働きを見せた。澤穂希が投入された後半35分以降は、4-1-4-1の布陣で守備の安定をはかった。

 選手の疲労を分散しつつ、オプションを増やしながらのベスト8入りである。W杯や五輪の経験を持つ佐々木監督ならではのマネジメントと言っていい。

 世界女王となった4年前の大会で、勝利の立役者となったのは澤や宮間だけではない。延長戦までもつれたドイツとの準々決勝で、試合を決めたのは途中出場の丸山桂里奈だった。スウェーデンとの準決勝でも、大会初先発の川澄奈穂美が2ゴールを記録し、3―1の勝利を引き寄せた。

 昨夏の男子W杯を制したドイツでは、シュールレやゲッツェが有効な交代カードとして機能した。チーム全体のクオリティを高めなければ、世界を制することはできないのだ。オランダ戦までの4試合は、ハラハラドキドキの連続だったかもしれない。だが、すっきりとした快勝がないぶん、チームは引き締まった空気に包まれているに違いない。逃した決定機や相手に与えたチャンスの記憶は、油断や慢心の入り込む隙間を埋めていくものだ。

 そして、ここから先は経験が問われる戦いだ。前回女王が本当の意味で強さを見せつけるのはこれからだ、と思うのである。(戸塚啓=スポーツライター)

[ 2015年6月27日 05:30 ]

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