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【コラム】戸塚啓

Jリーグ3部制へ

[ 2013年1月27日 06:00 ]

 Jリーグが3部制となる。2014年にも「J3」が生まれることになりそうだ。J2とJFLの入れ替えが、昨年から始まっている。ところが、JFLにはJリーグの準加盟クラブと、Jリーグ入りを目的としていない企業のクラブやスポーツクラブが混在している。簡単に言えば、プロとアマが同じステージで戦っている。

 そのあたりを整理して、上を目ざすクラブをJ3に集め、JFLで活動していくクラブと区分けすることが、大きな目的と見られる。実際にJ3として動き出した場合、リーグ戦をどのように運営されていくのか。3部とはいえJリーグの看板を掲げられることで、各クラブがスポンサーを獲得する可能性は拡がるかもしれない。そうは言っても、日本経済がいきなり好転するとは思えず、スポーツに投資する企業が安倍政権のもとで増えていくとは考えにくい。ただ、参入基準のハードルを下げることで、地方の中小企業が支援に名乗り出てくるかもしれない。サッカーから話は逸れてしまうが、昨年の都市対抗野球で『ジェイプロジェクト』というチームが初出場を果たした。全国的な企業が覇を競う大会に、名古屋の居酒屋チェーンを親会社とするチームが勝ち上がったのだ。しかも、有力選手をスカウトしたわけでなく、である。

 たとえば、1万人以上収容するスタジアムを持つとか、下部組織を持つといった条件を緩和すれば、そのぶんだけ必要経費を抑えられる。全国展開していない地方の企業でも、Jリーグに関われる余地が生まれるのではないだろか。

 J3ともなれば、クラブ経営はシビアなものだと推測する。少しでも経費を抑えるために、リーグ戦を東西に分けてみたらどうだろう。あるいは、フットサルFリーグやアジアリーグアイスホッケーのようなセントラル開催を視野に入れる。さすがに連戦は難しいが、試合開催にまつわる経費は参加クラブで分担できる。リーグ戦の大半を東西に分けて行ない、プロ野球の交流戦のように一部を全国リーグとして開催してもいい。

 J1クラブのBチームも、将来的にはJ3に参加できたらいいと思う。参加するか否かは各クラブの自由意思とし、トップチームの控え選手や下部組織の選手でチームを構成する。リーグ戦を東西に分ければ、それもまた予算的な折り合いが見出せるのではないだろうか。

 いずれにしても、J3を創設する意義はサッカーのすそ野の拡大にある。地元にJリーグのクラブが誕生すれば、地域の活性化にも寄与できるはずだ。大局的、長期的な視点に立って、参加するクラブに見合った枠組みを作り上げていってほしいと思う。(戸塚啓=スポーツライター)

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