【コラム】西部謙司

U-23は愚直さがカギ

[ 2016年5月14日 05:30 ]

U―23日本代表イレブン
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 リオ五輪に臨むU-23日本代表のポイントは「愚直さ」だ。全員がハードワークするサッカーはプレミアリーグで優勝したレスターに似ている。

 FWも含めてフィールドプレーヤー10人で守備ブロックを作り、奪ったら素早くカウンターを繰り出していく。典型的な4-4-2の堅守速攻指向で、飛び抜けた選手はいないかわりに全員で汗をかいて組織的にプレーする。

  ガーナ戦は体格やリーチ、瞬発力で勝る相手にどういったプレーができるか注目された。個の力で上回って いたわけではないが、組織力で対抗して3-0で快勝。五輪はぎりぎり育成年代のチームなので、組織力がさほどない相手もいる。日本のように愚直に戦えば チャンスのある大会だ。

 愚直な全員サッカーといっても、レスターにもバーディー、カンテ、マフレズと要所に力のある選手がいた。日本の強化ポイントもそのあたりだろうか。

  日本のスタイルではFWへの負担が大きい。守備をしっかりやると同時に、ロングボールを引き出す能力、無理なパスでも追い続けるタフネスが要求される。そのうえでバーディーのようなゴールゲッターも必要だ。斜めの動きでパスを引き出す富樫は、ガーナ戦でこのチームに合ったFWであることを示した。競り合いにも強く、得点力もある。SBの裏、CB横のニアゾーン狙いが明白なチームにはピッタリのタイプだろう。久保、浅野、富樫でFW枠は埋まりそう。ただ、「バーディー」となるとOA枠を使って大久保や家長のクラスが必要かもしれない。

 中盤のボール奪取力はやや物足りない。ガーナ戦で欠場した遠藤が「カンテ」なのだろうが、パートナーにもデュエルに強いMFが必要だ。大島、矢島はまったくそのタイプではなく、井手口が有力だが、OA枠を使う可能性は残る。

  サイドハーフの「マフレズ」としては、野津田に期待したがガーナ戦ではミスが目立った。2ゴールした矢島、ガーナ戦には出ていないが主軸と予想される南野が候補だろうか。組織のサッカーといっても個人能力なしには攻撃にならない。1人か2人はプレッシャーの厳しい場所でも足下にボールを収めて仕掛けられる選手が必要だ。ただ、このポジションにOA枠は使いにくい。

 OA枠の最優先はSBだ。負傷者も続出しているので、場合によっては2枠使わなければならないかもしれない。そうなると残り1枠は、これまでの傾向からしてGKかFWになりそう。ボランチの可能性もあり、サイドハーフに使う余裕はないだろう。

 日本のタイプは相手に引かれてしまったときが課題だが、まずは愚直な全員守備とカウンターのサッカーを突き詰めていくのが優先。OA枠もそのための人選になる。(西部謙司=スポーツライター)

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