【コラム】西部謙司

代表らしかったU-23

[ 2016年1月30日 05:30 ]

五輪出場が決まり、歓喜のシャワーでびしょ濡れの手倉森監督
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 2010年と14年のW杯に優勝したスペインとドイツはどちらも国内の強豪クラブを軸にしていた。スペインはバルセロナ、ドイツはバイエルン・ミュンヘンとほぼイコールだった。ただ、これらは例外的で、普通の代表チームは所属クラブがバラバラの寄せ集めだ。寄せ集めの選抜軍が好成績を残すときは、だいたい2つの条件がある。まず失点が少ないこと、そしてメンバーが固定的でないこと。

 W杯は接戦が基本で、ノックアウトラウンドとなるとその度合いも増す。僅差のゲームを制するには失点しないことが条件になる。また、決勝まで7試合を戦うとして、すべての試合を同じメンバーを使い続けるのは不可能といっていい。23人を全員使い切るぐらいでないと7試合は戦い抜けない。そこで、準備段階では多くの選手を起用し、組み合わせを試す。ベストの11人を磨き込むより、同じぐらいの強さのチームを2つ3つ作るような作業である。自分たちの長所を押し出し、相手を圧倒して勝てれば理想的だが、現実の代表戦は僅差勝負がほとんど。不得手な相手がないほうが得なのだ。

 リオ五輪最終予選はW杯とはレベルが違うが、どういう代表チームが有利かという点ではあまり変わりがない。日本は他を圧倒するほど強いチームではなかったが、過密日程を乗り切る選手層を持っていた。ほとんど失点せず、相手のやり方に応じて戦い、ほんの少し上回る。それで準決勝までの5試合にすべて勝ってリオ行きの切符を手にした。

 とても代表らしいチームであり、この予選に勝ち抜くための戦略が的確だった。ただ、五輪本大会はアジア予選と同じレベルではないので、もう一段階のレベルアップは必要になる。(西部謙司=スポーツライター)

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