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【コラム】西部謙司

重要なマッチメーク

[ 2015年10月15日 05:30 ]

<イラン・日本>後半、同点ゴールを決めた武藤(左から2人目)
Photo By スポニチ

国際親善試合 イラン1―1日本
(10月13日 イラン・アザディスタジアム)
 イランとのフレンドリーマッチは有意義だった。結果は1-1、内容も互角といっていいだろう。イランにはフィジカルコンタクトの強さと局面を打開するテクニック、クロスボールの質と高さもあった。日本はパスワークとカウンターアタックのスピードで対抗。持ち味の違う、力の均衡したライバル対決だった。

 アジアには特徴の異なる韓国、オーストラリア、サウジアラビアがいる。ただ、それ以上の相手がいない。ワールドカップでベスト16に進むために倒さなければならないレベルの相手がいないのだ。ハリルホジッチ監督就任以来、今回のイランが最も強い相手だった。

 これではなかなか強化は進まない。格上の相手と試合をして、自分たちの長所短所や進むべき道が見えてくることはよくある。日本代表にはヨーロッパでプレーしている選手も多く、個人としては世界のトップレベルの中でもプレーする術を知っている。ところが、チームとしてどうすべきかの経験不足は否めない。

 強豪国とのマッチメークを増やすべきだと言われ続けているが実現は難しい。せめてイランぐらいの相手とアウェーで戦う経験を積んでいかないと強化は停滞する。メキシコはコパ・アメリカの招待国として常連となっているが、日本も何とか参加したい。これ以外に強豪国との真剣勝負をする場はないからだ。フル代表が無理なら若手中心でもいい。スケジュールが許せば参加ではなく、コパ・アメリカありきで強化スケジュールを決めるぐらいでないと頭打ちの状況は続くのではないか。(西部謙司=スポーツライター)

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