【コラム】西部謙司

ハリルホジッチ監督は宇佐美をどこで起用するのか

[ 2015年4月30日 05:30 ]

 ガンバ大阪の宇佐美貴史が6戦連続のゴールを記録、クラブとしては7人目のタイ記録である。今季の宇佐美はオフ・ザ・ボールで良いポジションを占めての得点、本人いわく「難易度の低いゴール」を増やすことで得点量産を狙っている。

 4月29日の松本山雅戦のゴールもパトリックからの折り返しをシンプルに合わせたゴールだった。ドリブルシュートや豪快なミドルばかりでなく、ペナルティーエリアへ質の高い動きで走り込んでフリーになってワンタッチでシュートする得点を狙う今季の宇佐美は、鬼に金棒といった様相である。

 G大阪ではパトリックと2トップを組んでいるが、日本代表では4-2-3-1の左サイドハーフで起用された。宇佐美は左サイドでのプレーも得意なので攻撃面では問題ない。ただ、サイドハーフは守備に戻る距離も長く、運動量と守備力が要求される。G大阪での得点力に期待するなら、トップ下のほうが生きるのではないか。

 ハリルホジッチ監督が指揮を執っていたアルジェリアも、ワールドカップブラジル大会では4-2-3-1を使っている。トップ下に起用していたのはタイデルとブラヒミだった。タイデルは柴崎岳をパワーアップしたようなパサー、ブラヒミは香川真司と似たキープ力のあるトリッキーなタイプである。守備を重視したベルギー、ドイツ戦はタイデル、攻撃重視の韓国、ロシア戦ではブラヒミを先発させていた。一方、4試合すべてに先発した唯一のアタッカーは右サイドハーフのフェグーリで、ゲームも作れて運動量も豊富、点もとれるという万能型の選手である。

 ハリルホジッチ監督は宇佐美の得点力を生かしたいのか、それとも攻守両面での貢献を要求していくのか、それによって起用方法も違ってきそうである。(西部謙司=スポーツライター)

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