【コラム】西部謙司

アルジェリアでみせた多様性

[ 2015年4月11日 05:30 ]

 ハリルホジッチ監督は就任直後の2試合で招集したフィールドプレーヤーを全員起用した。アルジェリアを率いてベスト16に進出したW杯ブラジル大会でも、先発メンバーを5人入れ替えた試合が2つあった。

 初戦のベルギー戦で逆転負けを喫すると、次の韓国戦で先発5人を変更。韓国に勝利した次のロシア戦はほぼ同じメンバーだった(センターバックのブゲラ をベルカレムに代えただけ)。ところが、決勝トーメント1回戦のドイツ戦は再び先発5人を入れ替えた。

 ベルギーとドイツに対しては、相手にボールを支配されることを想定して守備重視のメンバー編成だったのだろう。勝利が必要だった韓国戦は攻撃的な選手を多く起用し、ロシア戦でも継続したが、ドイツ戦で再び守備を考慮したメンバーに戻したものと考えられる。

  4試合すべてに先発したのはGKエンボリ、センターバックのハリシュ、サイドハーフのフェグーリの3人だけだった。1次リーグ3試合に先発して鉄板と 思われていたボランチの2人(メジャニ、ベンタレブ)はどちらもドイツ戦にはプレーしていない。しかし、ドイツ戦の前半は大会最高のパフォーマンスをみせていて、監督の選手起用は当たっていた。

 一方、フォーメーションは4-2-3-1のまま変わらず。ディフェンスラインの高さや守備のやり方は 対戦相手と状況によって変化しているのだが、ポジションごとの役割や連係は基本的に同じである。ベースを一定にしておいて、起用する選手の違いで戦い方に 変化をつけていた。

 日本代表の2試合でも同じ傾向がみられたが、アルジェリアと同じやり方をするかどうかはまだわからない。ただ、日本やアルジェリアのような立場の国がW杯で勝ち上がるには、ある程度の多様性がなければ難しく、その点で合理的なやり方かもしれない。

 W杯ロシア大会の予選が6月から始まるのでアジアでの戦いが続く中、日本が守備的に戦わざるを得ないような相手とどれだけ強化試合を 組めるかがポイントになりそうだ。(西部謙司=スポーツライター)

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