【コラム】西部謙司

アギーレ監督の後任の条件

[ 2015年2月5日 05:30 ]

アギーレ監督との契約解除を報告する大仁会長(右)と三好法務委員長
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 ハビエル・アギーレ監督の解任が発表され、後任監督をめぐってさまざまな憶測が流れている。

 候補として名が出ているのがドラガン・ストイコビッチ、レオナルド、オズヴァルド・オリベイラ、フェリペ・スコラーリといったところ。しかし、いったい何を根拠にこうした人物が候補とされているのかよくわからない。ザッケローニ、アギーレと続いた技術委員会の選定基準からすれば、まずありえない面々ばかりだ。

 技術委員会の監督選定基準としてはっきりしていたのが「経験」の重視である。W杯で指揮を執ったことがあるか、W杯と同等レベルの大会を経験していること。

 アルベルト・ザッケロー二に代表監督歴はなかったが、イタリアの3つのビッグクラブ(ミラン、インテル、ユベントス)を率いた経験があり、攻撃的な戦術指向も攻撃が課題といわれていた当時の代表には合っていた。アギーレはW杯の経験豊富で中堅クラブを勝たせる手腕も定評があった。固定メンバーによる“自分たちのサッカー”にこだわって実力を思い知ったW杯ブラジル大会の後では受け入れやすい監督だった。

 “ピクシー”はW杯の指導経験もビッグクラブを率いた経験もない。レオナルドはミランとインテルを率いたことはあるが監督としてのキャリアは浅い。この2人の名前が出てくる理由を知りたいぐらいだ。

 オリヴェイラとフェリペは現職の監督だ。Jリーグからの引き抜きはないと明言している技術委員会だが、外国のクラブなら引き抜きオーケーなのだろうか。こちらも現実的な候補と言い難い。

 Jリーグは開幕前のキャンプに突入していて現時点での引き抜きは無理、ヨーロッパはシーズン中でこちらも候補の枠は狭い。代行監督でつないでヨーロッパがシーズンオフになる6月に新監督を迎えるという流れが現実的ではないだろうか。その間、多くの選手を試して代表選手のグループを大きくしておけばいい。ベスト8に終わったアジアカップとともに、おざなりな感じだったW杯ブラジル大会の反省と総括もこの際だからじっくりやっておくべきだ。(西部謙司=スポーツライター)

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