【コラム】水沼貴史

骨組みや土台があって 歴史が積み重なっていく

積み重ねることは大事だが、骨組みや土台があってその上に歴史が積み重なっていくもの
Photo By スポニチ

 今年のサッカー界の締めくくりの試合、E−1選手権最終戦で、日本は韓国に1−4で大敗した。海外組が招集されていないとはいえ、まさかの惨敗。ハリルホジッチ監督は「パワー、瞬発力、テクニック、ゲームコントロール、全ての面で日本を上回った韓国を称えるしかない」とコメントしていたが、W杯本大会前年という状況を考えると少し心配になってきた。

 代表戦に消化試合はないし、どんな試合でも勝たないと意味がない。まして相手が韓国ならなおさらだ。私が現役時代は韓国と切磋琢磨しながらお互いに力を付けてきた。韓国が先にW杯本大会出場を果たし、韓国に追いつけ追い越せでやってきた。Jリーグができて日本が強くなると、韓国が日本を追い越そうと必死になってきた。85年のW杯メキシコ大会出場をかけた日韓戦やドーハの日韓戦、W杯フランス大会の日韓戦など、しびれるような試合をしてお互いにしのぎを削ってきた。そこに中国なども絡んで、日本は強くなってきた。時代が変わり、私たちの時代とは違って今の選手やハリルホジッチ監督には韓国戦の重みは特にないのかもしれない。韓国をライバルだと思ってないのかもしれない。だが、ブラジルとアルゼンチン、ドイツとイングランドなど、「この国にだけは絶対に負けられない」というライバルがいるからこそ強くなるのも事実だ。

 日本は積極的に東南アジアとパートナーシップを結んでいるが、近くのライバルをもっと強く意識してほしい。「いつまでも韓国ではないだろう」と考える人もいると思う。だが、足下を見つめないと世界には打って出られないし、土台がしっかりしてこそ何事も進化がある。韓国とのライバル意識があってこそ日本は強くなってきたということだ。

 Jリーグでも、浦和のペトロヴィッチ監督はいいサッカーをしていても勝てないことから解任された。広島の森保監督も3度日本一になってもシーズン途中で解任された。G大阪の長谷川監督もJ2から昇格していきなり3冠を取ったが、今季限りで退任となった。鹿島の石井監督もクラブW杯で決勝に進出したが、こちらも翌年途中で解任された。それだけ厳しい対応がなされるようになっている。日本代表監督も評価の物さしは同じだと思う。

 積み重ねることは大事だが、骨組みや土台があってその上に歴史が積み重なっていくものだと思う。そこをW杯前年に思い出させてくれたということだろう。

 このコラムは10年あまり続いたが、ここで一区切りとする。このコラムができたのも縁だが、コラムを通して縁ができた人もいるし、チームと監督、選手と監督なども縁だ。日本のサッカー界やJリーグが進化していくためにも、人と人のつながりは大事にしてほしいと思っている。(水沼貴史=元日本代表FW)

[ 2017年12月27日 19:30 ]

Webtools & Bookmarks

バックナンバー

スポニチwikiランキング

      人気ニュースランキング(サッカー)

      ※集計期間:07月22日05時〜06時

      » 続き

      【楽天】オススメアイテム
      クイックアクセス

      Jリーグ

      日本代表

      W杯

      W杯予選

      ACL

      海外サッカー

      コラム