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原口は素晴らしかった、だが物足りなかった

アフガニスタン戦の前半、左サイドをドリブルで駆け上がる原口
Photo By スポニチ

W杯アジア2次予選E組 日本6―0アフガニスタン
(9月8日 イラン・テヘラン)
 先日のカンボジア戦が「ブーイングを浴びて当然の試合」だったとすると、この日はせいぜい「ブーイングは浴びずにすんだ試合」といったところか。あまりにも前回の試合がひどすぎたため、つい甘い目で見てしまいがちになるが、本来ならば手厳しく注文をつけられていてもおかしくない内容だった。

 とはいえ、多少なりとも内容が好転していたのは事実で、その要因の一つとしては、原口の起用があげられる。シンガポール相手の引き分けで自信を揺らがせてしまったのか、カンボジア戦での日本は悲しくなるぐらい積極的な仕掛け、強引な突破が見られなかった。だが、この日の原口は立ち上がりから相手DFに挑みかかっていく姿勢を見せ、それが相手にとっては確実に脅威となっていた。マン・オブ・ザ・マッチを選ぶのであれば、わたしは彼か、相手の攻撃の芽を完全につぶした山口の名をあげたいと思う。

 ただ、矛盾するようではあるのだが、わたしがこの日、もっとも物足りなさを覚えたのも原口だった。

 確かに彼は積極的な仕掛けを見せていた。だが、それだけだった。つまり、「仕掛けてやろう」という思いほどには、得点への意欲は伝わってこなかった。

 あらためていうまでもないが、原口は素晴らしいタレントの持ち主である。そして、アフガニスタンはおよそ世界のトップクラスとは言えない相手である。

 なぜ、仕掛けるだけで満足できてしまうのか。

 なぜ、最終目的である得点を他者に任せてしまうのか。

 きっと、彼は素晴らしく素直で、また周囲に気を使うタイプの人間なのだろう。だから、監督から要求された「仕掛けろ」というリクエストは忠実にこなした半面、そこからもう一歩足を踏み出そうとはしなかった。

 日本社会であれば、彼のような考え方、プレースタイルは「献身的」と評されることもある。だが、欧州や南米の感覚からすると、これは「都合のいいヤツ」でしかない。厳しいことを言わせてもらうならば、いまのままのメンタリティーではいつまでたってもヘルタの王様となる日はこないだろう。

 なれる才能は十分にあるにもかかわらず。

 同じことは、他の選手たちについても当てはまる。

 ひどい試合が続いていた。6点が取れた。安堵(あんど)する気持ちはわかる。けれども、この日のアフガニスタンに見るべきところはまったくなかった。6点取れた、ではない。6点しか取れなかった。そう考えなければならない相手だった。

 世界を目指すのであれば。

 アジアでの戦いは、もちろん簡単ではない。けれども、アジアでの戦いで満足のいく内容を残せないチームが、どうして世界を相手に内容と結果を残せよう。シンガポール戦以降、わたしには、日本代表の意識が急速に矮小(わいしょう)化した気がしてならない。(金子達仁氏=スポーツライター)

[ 2015年9月10日 05:30 ]

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