【コラム】金子達仁

“神のマッチメーク”J最終節は見どころ満載

[ 2019年12月5日 16:30 ]

 ニューカッスル対リバプール。アラベス対バルセロナ。ボルシアMG対ヘルタ。アタランタ対インテル。目下、欧州4大リーグで首位を走っているチームの、最終節のカードである。

 「だからなに?」と思われる方がいるかもしれない。ごもっとも。これらのカード一つひとつにさしたる意味はない。それでも、こうやって4つのカードを眺めてみると、今週の土曜日、日産スタジアムで行なわれる一戦がどれほど特別なものかがよくわかる。

 過去のJリーグもそうだったし、来年の4大リーグもそうなるだろう。最終節の優勝争いは、ほとんどの場合、複数の会場にまたがって行なわれる。ファンは他会場の途中経過を伝える情報にかじりつき、選手たちに情報を伝えるチームがあれば、遮断するチームもある。そうしたやりとり、駆け引きは最終節ならではの醍醐味だと言っていい。

 ところが、今年のJリーグでは、“直接対決で勝った方が優勝”という極めてレアなケースが出現しかけた。残念ながら前節、FC東京が引き分けてしまったため、“マリノスは勝てば無条件で、FC東京は4点差以上の勝利”というかなりのハンディキャップマッチにはなってしまったが、それでも、日本はおろか世界でも滅多に見られないシチュエーションであることは間違いない。最終節が“チャンピオンシップマッチ”になったのである。

 今年のJリーグ……というか、Jリーグのマッチメークが凄いのはそれだけではない。偶然なのか、はたまた何らかの意図によるものなのか、下の順位の方を見渡せば、松本対湘南、清水対鳥栖という“裏天王山”が2つも組まれていた。これまた惜しいことに、前節松本の自動降格が決まってしまったが、展開次第では2試合のどちらもが“勝った方が残り、負けた側が落ちる”という究極のサバイバルマッチになっていたところだった。ほとんど、神のマッチメークである。

 それでも、清水、鳥栖の2チームにとっては、土曜日の試合が、1勝に2勝分の価値があるといわれる、いわゆる“6ポインター”以上の意味を持つことに変わりはない。アウェーの鳥栖は引き分ければ無条件で残留が決まり、清水は勝てば無条件で、引き分け以下だとアウェーで松本と戦う湘南の結果如何となる。極めて重要な直接対決を戦いながら、他会場の情報にもかじりつかなければならないわけで、両チームのファンにとってはよくも悪くもたまらない、そして忘れられない1日になるだろう。

 J1の決着がついた翌日には、またまた表と裏の天王山が待ち構えている。表はもちろん、徳島対山形の昇格プレーオフ。これはこれで非常に楽しみなのだが、もう一つ、最終節を迎えるJ3の2位争いも見逃せない。

 というのも、2位の群馬と勝ち点で並ぶ3位の藤枝にはJ2ライセンスがないため、もし最終節で順位が逆転するようなことがあると、J2の最終節で21位に転落した鹿児島の残留が決定する。

 見どころ満載のJリーグ最終節、くれぐれもまた「あ、見られない」なんてことのなきように。ね、ダゾーンさん?(金子達仁氏=スポーツライター)

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