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最高のクールジャパン このままでいいんですか?

MVPは柴崎だが、本来の才能を100とするならば、30ぐらいだった
Photo By ゲッティ イメージズ

 スウェーデン1―0スイス。イングランド1―1(PK4―3)コロンビア。内容や展開はまったく違えど、どちらも1点が重い試合だった。スイスは不運な先制点をはね返せず、終了直前に劇的な同点弾を決めたコロンビアは、しかし、それが精いっぱいだった。

 改めて悔しさが込み上げてくる。

 W杯における1点はかくも重い。決勝トーナメントにおける先制点はかくも重い。なのに――。

 前日付のスポニチに評論家5氏による総括が掲載されていた。柴崎が3人。大迫と乾が1人ずつ。それが識者の選んだ今大会における日本のMVPだった。

 ちなみに、わたしの選ぶMVPは柴崎だが、最も失望させられた選手も柴崎である。彼がいなければ西野監督が目指したサッカーは実現できなかった半面、本来の才能を100とするならば、せいぜい30ぐらいしか出せなかった、という印象もあるからだ。柴崎ならばもっとできるし、やってくれなければ困る。

 前日の紙面にはもう一つ興味深いコメントが掲載されていた。イタリアの名将カペッロのものである。

 「私が監督なら本田の首根っこをつかまえて怒っている。延長が見えた時間帯のCKで、まともに蹴ってGKに捕られるのはありえない」

 どうやら、ネット上ではこのコメントに乗っかって本田を批判する動きもあるようだが、わたしは、天に唾を吐くような行為だと思う。

 あの状況で、FKが直接決まりかけて得た直後のCKで、守備のことに意識を割いておけるのは、世界広しといえどもイタリア人だけである。だから彼らの守備は世界最高と言われ、だから彼らのサッカーはつまらないとされる。

 あの状況で、GKの前でピンポイントに合わせるボールを選択した本田を、わたしは強く擁護したい。

 ドーハの悲劇のあと、直前のプレーで時間稼ぎをしなかった選手が批判の対象になったことがある。だが、当時の日本人に、プレーをしながら時間を消費するという感性は皆無だった。あのときに流した血の涙が、日本サッカーのDNAに組み込まれ、アジア・レベルでの失敗をなくしたのである。

 だから、未来の日本代表選手は、きっと同点で迎えた試合終盤、カペッロに批判されるようなプレーをしなくなる。攻撃的なサッカーを展開しつつ、要所要所ではイタリア人の感性を感じさせる試合運びをするようになる。

 サッカーとは、こうして前進していくものなのだ。

 結果は過去最高と同じベスト16止まりだったが、今大会の日本代表は、史上初めて世界から愛され、日本の印象を劇的に好転させたチームだとわたしは思う。そこで日本社会の偉い方々に質問がある。

 これって、最高のクールジャパンだと思いませんか?お隣の国では最高権力者がサッカーの環境改善を促進させているようですが、日本は実った果実に群がるだけでいいんですか?

 このままで、今大会以上に美しく、今大会以上の成績を残せるチームが生まれると思いますか?(金子達仁氏=スポーツライター)

[ 2018年7月6日 13:00 ]

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